暁 〜小説投稿サイト〜
真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
5部分:第三話 原っぱ奪還戦
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「おう〜、任せとけ〜」


決して止めるのではなく、やりすぎるなとだけ言った。


「目には目を、歯には歯を、毒には毒を、ってな」


今回は自業自得だ。風間ファミリーの面々は驚きながらこっちを見ていた。あと、少し引いてたかもな。次の瞬間、上級生は悲鳴と共に屋上から落ちてきた。


「あ、あわわわ……」

「おい、これは……」

「さすがに、まずくないか……?」


流石にこれはヤバいと思ったのだろう、一子と風間、大和は声を上げた。


「大丈夫。この高さなら骨は折れはしない。まあ、数日間は痛みに苦しむけどな」


痛みは最後には消えるから、可愛いもんだ。耳に空けた穴に比べればどうってこと無い。本当ならまだやり足りないくらいだ。
俺はそんな上級生に近付く。


「なあ先輩、もし今日のことを先生や親に言ってみろ?……その両足だけじゃなく、今度は手も使えなくするぞ。一生涯の保証付きでな」

「ひぃぃぃ!」

「……わかったな?あと、原っぱには二度と近づくなよ?」

「は、はいぃぃぃぃ!!」


上級生は担げるだけの仲間を連れて、足早に去っていった。


「お前、人のこと言えないだろ」

「だってモモも同じこと考えてただろ?……まあ、手加減したほうだろうけどさ」

「だろう?ちゃんと約束は守ったぞ」

「うん、えらいえらい」


そう言ってモモの頭を撫でる。もうどっちが年上か、分かったものじゃない。けどモモは気持ちよさそうにしているからまあいいか。
やること終わったしあとは帰るかな、と考えていると、


「2人とも、ちょっといいか?」


このグループのリーダーで、頭にバンダナを巻いた少年、風間翔一が代表して一歩前に出る。


「なあ、俺達の仲間に……『風間ファミリー』に入ってくれよ!」


『風間ファミリー』。その名前は俺達の小学校では有名な友達グループだ。同学年で形成されたグループで、リーダーである風間翔一はその破天荒さでも有名人だ。
チラリとモモを見ると、面白そうに笑みを浮かべた。ただ、少し口の端を吊り上げた。


「すまん、ちょっと待っててくれ」


俺はモモを連れて少し風間ファミリーから距離を取る。


「モモ、あのグループに入るかどうかだけど」

「面白そうだな。それに私はアイツ達が気に入ったぞ」

「入るのに文句はないけど……モモ、お前入って自分がリーダーになるつもりだったろ?」

「…………」


長い沈黙。やっぱりね。長い付き合いだからモモの考えがなんとなく読み取れてしまう。唇の端を吊り上げて笑う時というのは、殆ど自分が楽しい時、あとは何かよからぬことを考えたときだ。


「だ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ