バレンタインデー
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張って俺のために作ってくれたチョコレート。それを聞いた俺は嬉しくて二人を抱き締める。
「ありがとう!!ウェンディ、サクラ」
「どういたしまして」
「えへへ」
抱き返してくるウェンディとサクラ。二人がくれたものを早速食べようと一度離れると、一番年上の少女が何やらモジモジしながらレオンを見ていて、全員の視線が集まる。
「ねぇ、レオン」
「ん?」
少年の顔よりも大きいんじゃないかというほどのチョコレートをモグモグしているレオンに、顔を真っ赤にして話しかけるシェリア。それを見て何をしようとしているのか察した俺は、黙って見届けてみることにする。
「よかったら・・・あたしと付き合ってくれないかな?」
(((((言ったぁ!!)))))
こんな人前で告白するなんてなかなかチャレンジャーだけど、逆に見ていてくれている人がいる方が安心感があったのかも。ただ、レオンがなんと答えるのか、それが不安で仕方ないけど。
「あぁ、いいよ」
「え!?」
そして、返ってきたのは軽いながらも、少女が待ち焦がれていたものだった。
「ホント!?ホントにいいの!?」
「うん、いいよ」
信じられないといった感じで何度も何度も執拗に確認を行う天神。俺たちはようやく二人が結ばれるのかと喜んでいると、期待を裏切らない少年のボケが炸裂した。
「で?どこに付き合うの?服?」
「え・・・」
付き合うの意味を履き違えていた少年のボケに空気が凍りつくのを感じた。言葉を失った少女はしばらくすると、ガックリと肩を落としてタメ息をつく。
「そうだよね・・・レオンはそういう子だもんね・・・」
「んん?」
意味がわからないレオンは落ち込む少女を見ながらもらったチョコをどんどん食べ進めていく。すると、シェリアは少年の手首を掴む。
「じゃあ今日一日付き合ってもらうからね!!」
「うん、わかってるって」
怒りを飲み込んでいるのがありありと見える少女は、まだ食べ終えていない少年を引っ張って出掛けてしまう。取り残された俺たちは目を合わせ、苦笑いする。
「シェリア、大変そうだね」
「相手があれじゃあね」
ようやくレオン一筋に絞ったのかと思ったけど、当の本人は気付かない。可哀想な少女に同情しつつ、もらったチョコを口に運ぶ。
「あ!!これおいしいね」
「でしょ!?上手にできたと思ったからよかったぁ!!」
先に食べたウェンディのチョコを褒めると、彼女は嬉しそうに笑顔を覗かせる。初めて作ってこの完成度、ウェンディはいいお嫁さんになるね、もちろん俺のだけど。
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