バレンタインデー
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シリルside
「じゃあ、私たち先に帰るね」
「レオンのことお願いね、シリル」
「うん」
「了解」
時刻はまだお昼を少し回ったほど。それなのに、何か用事でもあるのか早々に引き上げていく少女たち。それを俺とレオン、ラウルは静かに見送る。
「なんだ?珍しいな、あいつらがこんなに早く帰るとは」
それに疑問を抱いたリオンさんがさっきまでシェリアが座っていた場所、いまだに包帯だらけのレオンの隣へと腰掛けながらそう言う。
「何か予定があるみたいですよ」
「スターマンゴーのジェラート・・・か」
一人会話をする気がない奴がいるけどそれは放っておいて、今気にする点は少女たちがなぜこんなに早く帰ったのかが問題だ。しかも俺たちにはあまり早く帰ってくるなと釘を差していたし、どういうことなのかさっぱりわからない。
「サクラも連れていってたな、一体・・・あ!!」
「「「ん?」」」
別に住んでいるサクラまで連れていったことでますます謎が深まっていたようだったが、心当たりがあったような反応を示す。
「何かわかったんですか?」
「ジェラート?」
「それはもういいから」
いつまでも俺たちがスターマンゴーのジェラートを買ってこなかったことを根に持つレオンにチョップをしつつ、リオンさんの考えていることが何なのか聞いてみる。
「あ〜・・・」
すると、彼は困ったような表情を浮かべた後、そっぽを向いてしまう。
「なんですか!?何かあるなら言ってください!!」
「ジェラート食べたい!!」
「レオンそろそろうるさいよ?」
青年の服を掴んでユサユサと揺らし問い質す。いつまでそのネタを引っ張るのかといった感じのレオンはラウルから引き剥がされ、俺もリオンさんから押し戻されてしまう。
「いずれわかることだから、今は知らなくてもいいんじゃないか?」
そう言ってはぐらかされてしまい、彼はこれ以上の追求を受けないためにも俺たちから離れていってしまう。
「なんだろ、一体」
「わかんない」
「気になるぅ」
何が何なのかわからないまま放置されてしまい、一体何事なのか気になってしまう。いずれわかるって、一体いつなんだよぉ。
ウェンディside
「みんな!!準備はいい!?」
「「「オッケー!!」」」
「大丈夫よ」
エプロン姿で頭に三角巾を巻いて準備万端のシェリアの掛け声に私たちが返事をする。彼女の前にいる私たちも同じような格好をしており、キッチンの上には先ほど買ってきたたくさんのチョコレートが乗せられている。
「明日はバレンタインですからね!!」
「シリルたちにプレゼントしてあげないと〜」
「なんで私までやっ
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