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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第9話 聖天使出撃
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目の前の廃墟が、恐らく身体的、精神衛生的にも人の居住には適さないであろうことは明白であった。

ノーマが都市内に展開する地球連合部隊が大規模ではないと推測したのも、都市のインフラが大量の人員の生活に耐えうる状態ではないことを知っていたからである。
墓標の如く聳え立つ灰色の高層建築の中へとグゥルに乗ったノーマのシグーが侵入を図った。

「(どこに敵がいるの…)」
「!!」

彼女が周囲に視線を巡らせようとした次の瞬間、ミサイルアラートがコックピットに響き渡った。


「たった1機で突っ込んでくるとは大した自信の持ち主だ!大歓迎してやれ!ミサイル班、引き寄せてから撃て」

ゲーレンの部隊は、ノーマのシグーの直進ルート上の廃墟に展開していた。
この部隊は、ウーアマン中隊が市内に突入する少し前、航空攻撃を仕掛ける為に先行して低空を進撃していたディン6機を有する対地攻撃部隊エレノア襲撃中隊を、ディン1機を除く全機撃墜という大戦果を挙げていた。

指揮官であるゲーレンはたった1機で向かって来るそのシグーを指揮下の部隊の火力を出来る限り叩き付けて撃破するつもりであった。

「全ミサイル斑ミサイル発射!」

指揮官を務めるゲーレン中尉の声が有線通信機を通じて、各所に潜伏していたミサイル斑に伝達された。

そしてミサイル斑は、命令を実行した。

彼らの部隊は、ミサイルの多くを航空兵力対策に温存していた。
その為ミサイルは、ウーアマン中隊との戦闘後も半数以上が発射可能であった。

廃墟の各地に隠蔽配置されていたミサイル陣地から一斉に、正面から向かって来るたった1機のシグーに向けて数十発のミサイルが発射された。

その中には、対空用ではなく、装甲車両用のミサイルもあった。
白煙を上げて蛇の群れの如くシグーに向かうミサイル群…一見すると1機のモビルスーツを標的にしているものとしては過剰に見える。
しかしこれはゲーレン中尉とその部下が、航空兵力の脅威を正しく認識していたからである。

ノーマのシグーを包み込むように迫るミサイル、全弾を受ければ、シグーと言えど、先程匍匐飛行中にMLRSのロケット弾の雨を受けたエレノア襲撃中隊の所属機の二の舞になるであろうことは間違いなかった。

「!」

ノーマは、自機が確実に回避出来ないミサイルのみを重突撃機銃で撃墜する。
ノーマのシグーは、ビルが森林の木々の様に林立する市内に突入した。


「なんだと!」
ゲーレンは思わず叫んだ。彼の予想では、グゥルに乗ったままでの市内への突入は、危険だと判断してグゥルを放棄して地上に着地するか、ミサイルを迎撃後、高度を上げると考えていたのである。

そしてシグーのパイロットが前者の選択を取っ
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