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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第7話 市街地戦突入
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果たせ!とか言われて連れてこられただけの奴が大半だろう。
それでも軍人になったからには、俺達は命令に従わなくちゃならない。そして今の俺達の後ろには、守るべき市民……ひいては、両親、兄弟、子供、恋人、友人がいるんだ。おい、三等兵」

ガラントは、後ろの方で、震えていたニサを指差した。

「なんでしょう、少尉」
怯えていることを咎められるのではないか…そう彼女は覚悟した。だが、その予想は裏切られた。

「お前には、家族はいるか?」

「……家に母と妹がいます。」深呼吸をしてから彼女は答えた。

「なら、怖くなった時そいつらの顔を思い出せ。お前らも大切な人のことを思い出せ。ザフトの奴らにお前らの好きにさせはしない!ってことを教えてやれ!!」

「「「「「はい!」」」」」」
兵士達は、目の前の上官に敬礼した。


そして彼らは、各々決められた廃墟の中の場所にうずくまり、静かに待った。
敵が自らの持ち場に来るのを…

其処が彼らの狩場となるか、墓場となるかは、彼らの技量………そして神ならざる身には、
把握しえない運の問題であった。


カッセル軽砲小隊によって砲弾が撃ち込まれた市内は、凄惨な状態に陥っていた。
放棄され、荒れ果てていた建築物は、砲弾の直撃を受けて瓦礫の山に変貌するか、奇怪な邪神像の様な姿に強制的に変換された。

道路には、瓦礫や隕石が激突したクレーターの様な大穴や散弾の炸裂で生じた無数の小穴が穿たれた。

これは、通常車両の通行がもはや不可能なレベルであったが、モビルスーツとそれなりに不整地での走破性を有する装甲兵員輸送車で構成されるウーアマン中隊には、余り問題ではなかった。

ジンのパイロットの1人が突入して最初に目撃したのは、蜂の巣のように穴だらけとなった道路とその周辺に散らばる車の残骸だった。

「…」
彼の視線の先には、鮮やかな水色に塗られた物体があった。
それは、かつては彼の憧れの一つだったが、今は何の価値もないガラクタであった。

水色の物体…流線型の強化積層プラスチック製の外装がセールスポイントの、ブルースターと呼ばれていた高級車であったその物体は、緑色のゴミ箱に激突して停止していた。

それは、最新式の対ウィルスプログラムと衛星対応自動運転システムをインストールした車載コンピュータもあらゆる外部からの通信が大幅に制限される通信障害の前では無力ということを教えていた。

先程の支援砲撃による建物の崩落による瓦礫で通行不能になっている場所もあった。

「敵は何処にいるかわからん!警戒を怠るなよ!」
ジンに乗るパイロットは、そう言って部下に警戒を促した。
市街地戦では、日常生活が営まれていたあらゆる場所が敵味方の隠れ場
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