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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第6話 偽りの囁き
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木星、木星の衛星の中で液体の海や大気の存在が確認されている衛星の地表で探査活動を行う際に用いられる予定だった探査装置である。
地球外生命体の存在を探索する為の装置が、地球内の生命体の存在を探索しているというのは皮肉であった。
だがこの様な高性能な機器が存在しても、最後には、人間の判断力が結果を左右するのである。
「……」
ヘッドギアを被った金髪黒目の少女 メイ・リョングは、ソナーが感知し、コンピュータが選別した音の正体を突き止めるべく、耳を澄ましていた。
東アジア共和国出身の母を持つ第2世代コーディネイターである彼女は、その独特の名前からハイスクールの頃には、男子に恐竜の様な名前だ、と馬鹿にされたこともあった。
メイは、音楽家になるのが夢で、ソナーマンに選ばれたのも彼女の優れた耳によるものであった。
コーディネイターで、優れた楽器の使い方や歌声を持った者は大勢いたが、音楽家や作曲家として世界的に大成した者は未だに1人もいなかった。
それでも、それを知っているからこそ彼女は夢を諦めない。
音楽が、人の心に与える影響というものを彼女は身を持って理解していたからこそである。
この戦争が終われば、その夢を叶えるつもりでいた。
夢を叶えるためにも、メイは次々と音響センサーとコンピュータから送られる音と聴覚と訓練で植え付けられた情報を照合し、選別を行った。
「先程消失した音紋は、地球連合軍のリニアガンタンクと思われます。」
彼女は、耳が聞き取り、選別した友軍の戦果を弾んだ声で報告した。
彼女は、ソナーマンとしては優秀だった。それらの音紋パターンは殆ど地球連合軍の車両とほぼ同一であった。
それ故、地球連合が仕掛けたダミーに見事に嵌ってしまっていた。
ザフト側の鹵獲リニア自走榴弾砲が発射した砲弾の一つが廃墟に着弾し、その中に存在したものを薙ぎ倒し、破片で引き裂いた。
廃墟に置かれていた黒い物体はなすすべなく、鉄屑へと変換された。
黒い物体…その正体は、併設された小型バッテリーにより稼働するエレカ用モーターであった。
ザフト側の偵察車両が捉えた音源は、殆どが、これら都市内部に設置されたエレカのモーターだったのである。
これらのモーター類は元々、地球連合軍が、民間より接収した自動車用モーター類であった。
本来は、補給車両の予備部品として使用される予定のもので、地球連合の予想を超えるザフト軍の快進撃により、特に活用する機会もないまま爆破処分されるはずだった。
ハンスは、これらのモーターの内、長期間の使用に耐えないと判断したものを分解し、地上の廃墟や地下の駐車場に設置した。
流石に常時作動させるのはエネルギーの浪費でしかないので、必要な時に連合兵たちによって有線操作によって起動
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