暁 〜小説投稿サイト〜
機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第6話 偽りの囁き
[1/7]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
「エレノア隊が全滅しただと…?!あの都市の地球連合はどれだけ戦力を有しているんだ?」
市内に突入する予定だったウーアマン中隊指揮官 ケヴィン・ウーアマン中隊長は、狭い車内に大きく響く声で言った。
彼の遺伝子操作の産物であるエメラルドの様な緑色の目は大きく見開いていた。
その発言は、報告者であり、唯一の生存者が目の前に立っているということを考えると余りにも無思慮であった。
だが、戦場でその様なコミュニケーション上の配慮を求めるのは、酷であった。
彼の視線の正面には、先程帰還してきた唯一の生存者…エレノア襲撃中隊のMSパイロット エルマー・アダムスが反対の座席に腰掛けていた。
その顔は青ざめ、鳶色の双眸は、目つきが刃物の様に鋭くなり、白皙の肌からは艶が失われ、車内の赤い照明と相まって墓場に埋葬される直前の死体の様に見えた。
それは、まるでB級ホラー映画で使い古された人を生ける屍に変容させる架空の疫病の初期症状を患っているかのような錯覚を見る者に与えるものであった。
精神面での影響が肉体に及ぼす悪影響は、これ程のものなのか、とケヴィンは、唇を歪めて思った。
第1次世界大戦以来、科学技術の所産が戦場に投入され、それに伴う戦闘期間が長期化した近代戦によって蒙る兵士の精神面のダメージとそれが齎す影響についてはその重大性は、十分軍部にも政治家にも認識されていた。
再構築戦争とその前後の紛争で多くの戦争後遺症患者が生みだすこととなった地球の国家の軍隊は、
対策として専門の心理カウンセラーを置いており、また同様にザフトも心理カウンセラーを置いていた。
精神疾患の発症率では肉体的にナチュラルよりも優れているコーディネイターも変わらなかったからである。
尤も心理カウンセラーのカウンセリングをエルマーが受ける為にはディンを操縦して
後方に展開する陸上戦艦を有する部隊と合流する必要があった。
戦闘中であることを考慮すると精々、医務室で精神安定剤を服用させられるのが関の山だろうが…彼自身、同僚であり、友人でもあったエレノア・チェンバースが部下と共に戦死したことについてはショックを受けていた。
本来なら彼の部下で、同じく戦死が確実視されたバルク小隊が偵察&掃討任務を終えていた筈だった。
彼にとっても現在のザフトの優位を確立した最新兵器のモビルスーツがこうも容易に
失われたということに驚いていた。
直後彼は、エルマーが自分に許しを求めるかのような視線を向けていることに気付いた。
慌ててケヴィンは、質問を続けた。
「それで敵部隊の戦力は?エレノア隊を全滅させたのはどんな兵器だ?」
そしてエルマーは口を開いた。
「敵は、私の部隊の進路を信号弾でトレー
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ