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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第5話 廃都炎上
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せた。もはやエレノア襲撃中隊は、壊滅した。

戦力的にも生き残ったディン1機でバルク小隊を全滅させたと思われる市内の地球連合軍部隊を撃破することは不可能である……最後の生き残りであるエルマー自身がそれを何よりも認識していた。

現在の彼に出来ることは、後方より進軍して来るウーアマン中隊を初めとするザフト軍本隊と合流し、市内に潜伏している地球連合部隊の戦力が油断できないものであると報告することだけである。

だが、その現状認識が正しいということと彼自身の人間としての感情は異なっていた。

「くそおおおおおおおおおおおお」
エルマーは、コックピットの中で吼えた。
エレノア隊長を!皆を殺されて一人だけ逃げるのか…俺はそこまで弱虫の屑なのかよ…戦友の仇を討つことが出来ない無力さとそれを認識し、それを肯定するかのような行動を選択した自分への嫌悪感の余り、今すぐ死を選びたい心境だった。

もし彼がプラントの都市管理機構の下水処理局員としての3年の労働の経験、ザフト入隊時の訓練、そして先程まで彼の上官として存在していた指揮官 エレノアの存在によって自制心を学んでいなければ、乗機のディンを下界の雑草が繁茂した草色と土色の大地にぶつけていただろう。

「エレノア隊長…皆、俺は悔しいが、お前らの仇を討てない、だが、後ろにいるザフトの仲間がきっと仇を討ってくれる。」

両頬を涙で濡らしつつ、かすれた声で言葉を紡ぐ、彼は懺悔しているかのようだった。背を向けて単機で去っていく。
敵機に対して市内の敵は、銃弾一つ撃つこと無く沈黙していた。

恐らくNJ下で誘導兵器の信頼性が低下している今、市内から攻撃する手段がないのだろう。とエルマーは推測した。

「見ていろナチュラル共、お前らは必ず我々ザフトが殲滅する」

彼は、憎しみに燃える目で後方を一瞥した。次にふと彼が考えたことは、ターニャにとうとう自分の気持ちを伝えることが出来なかったということだった。

都市を背にし、去っていく黒い影、それを地上から覗く者達がいた…彼らは、市内にいる戦友達へと自らの得た情報を伝えた。

「偵察兵より連絡!最後のディンの後退を確認、敵襲撃機部隊は、1機を残して撃破されたようです。」「了解した。偵察活動を続けてくれと伝えてくれ」

有線通信による偵察部隊からの報告を受け取ったパドリオから報告を受けたハンスは、そういうと通信を切った。

NJ下において有線通信の信頼性は無線通信が使用不能となった今では、距離がある程高まっていた。


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