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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第5話 廃都炎上
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ンス大尉率いる本隊からも確認できた。

「やったか!」
高層ビルの一室に設置した監視カメラの映像を、ゴライアスの正面モニターを介してハンスは確認していた。
彼が敵を巻き込んだと判断したのは、地面に着弾しただけでは、あそこまでの爆発にはならないからである。
そしてそのことは鮮やかな炎の中に揺らめく、舞い上げられた残骸の黒い影が証明していた。

「総員!!撤収、急げ!」
MLRSの内の一つの設置地点では、先程までそれらの操作に関わっていた兵員達が撤収作業を開始していた。

彼らも指揮官のハンスもこの一撃で空を飛ぶ敵部隊を全て破壊できた等とは判断していなかった。
ゲリラ戦術は敵にその姿を晒さないことが肝心であることは、常識である。
もし圧倒的戦力差がある敵にその姿を見られた場合、ゲリラ戦術を行う側に訪れるのは、死のみであった。

黒煙に覆われた高熱で燻る大気を引き裂き、有翼の機械人形が2体黒煙の中から飛び出す。
小隊にまでその数を減らされながらもエレノア襲撃中隊は、侵攻を続けていた。

ディンは半数以下の2機に撃ち減らされ、攻撃ヘリのアジャイルは1機残らず全滅していた。
ロケット弾とその破片の直撃を受けたディンは、薄い装甲が災いし、文字通り粉々に破壊されていた。

部隊指揮官のエレノアの機体もその中には含まれていた。

「なんなの!あの攻撃は、敵の新兵器?!」
乗機の破損個所を確認しつつ、ターニャは敵の姿を求めた。
彼女のディンは、頭部カバーを喪失し、左肩部と右脚部が破損していたが、幸いなことに飛行能力を維持しており、武装も主兵装の対空散弾銃が使用可能だった。

「ターニャ無事か?」
その時通信が入った。
「畜生!エレノア隊長も、シャノンも、ピーターソンも、ウィルも、ヘリ部隊の奴らも皆やられちまった!」通信の相手は、3番機のパイロットのエルマー・アダムスだった。

「そんな!エレノア隊長が!…やられるなんて」
中隊指揮官を務めていたエレノア・チェンバースは、部隊内外からみても優れた指揮官だった。
モビルスーツの操縦技量、部下への接し方、魅力的な容姿…そのどれもがターニャの憧れであった。
そんな人物が卑劣なトラップで撃墜された等、彼女にとっては信じがたいことだったのである。
だが、現実は彼女の思いとは真逆であった。

これまでの戦いで常に隣にいた指揮官機の頼もしい機影はそこにはなかった。

「…」

彼女は遠ざかりつつある、後方を映すモニターを拡大した。背部センサーから取り込まれた映像であるそれは、中隊の機体の残骸が焼け火箸の様に黒煙を吹き上げて激しく炎上していた。

そして高温に曝される残骸の中には、指揮官機の装備していたアークェバスの残骸も転がっていた。

「………よくも隊長
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