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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第4話 鉄巨人倒れる
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それはまるで、大物を目の前にした若い狩人の様である。

次の瞬間、2機のジンの片割れ……右腕が破損した機体が、頭部を右に旋回させた。

中世の騎士のヘルメットの様な角の付いた頭部とその中央に内蔵された陽光を受けた紅玉さながらに光る赤い単眼がワシリーと塹壕の兵士達を見下ろした。

その不気味な赤い輝きに射抜かれた兵士達は、一斉にざわめいた。

「み、見つかった」

ワシリーは、恐怖の余り叫んだ!瞬間的に全身から気持ちの悪い脂汗が流れるのを感じた。

そして本能的に彼は、ミサイルのトリガーを引いてしまった…

「ワシリー!」
セルゲイ曹長の制止も空しくロケットモーターを点火させて目標である鋼の巨人へと突進していった。

「ミサイル!」
狙われたジンのパイロット、ウェルは、遺伝子操作によって強化された聴覚で聞き取ったミサイルアラートを示す警報に従い、即座に機体を傾かせた。

ジンの姿勢が崩れ、ミサイルは、ジンの左肩部と頭部を掠めた。

もしこの時、追加のミサイル攻撃が行われていたら危なかっただろうが、一兵士の恐怖に基づいた独断行動に過ぎなかった為、ミサイルは、後方のビル屋上の電光掲示板に大穴を開けただけに終わった。

「敵!そこに隠れていたのか!」

2機のジンが重突撃機銃を公園に向ける。

同時に歩兵部隊は、前方に聳える死神へと脆弱な反撃の牙を剥いた。ジンの鋼鉄の指が重突撃機銃の引金を引いた直後、無数の火線がスクラップの連なりから2機のジンに向けて伸びた。

花火大会の様なそれは、訓練を受けた兵士と指揮官の命令に基づいたものでなく、一人一人の原始的な生存本能による無秩序な弾薬の浪費に過ぎなかった。

対戦車ミサイルから自動小銃まで陣地内の歩兵部隊の持てる火力が一斉に発射された。

直後、バルクのジンが放った重突撃機銃の76o弾が陣地のひとつを吹き飛ばし、中にいた人員を爆風と破片で抹殺した。

「ナチュラルめ!」
隣のウェルのジンも左腕の重突撃機銃を単発モードで発砲する。

片腕を損傷しているため命中率は低い、だが砲弾が、戦車砲弾並みの威力を持っていた為、歩兵相手には十分すぎた。積み木の様に積み上げられた自動車は、遮蔽物として何の役にも立たなかった。
砲弾を受けた自動車がはじけ飛び、車の部品が飛び散る。

榴弾の直撃を受けた陣地の歩兵が数人纏めて粉砕され、黒焦げの肉片と金属と繊維の破片が周囲に飛び散った。

ある若い兵士は、半狂乱で塹壕を飛び出す。

直後、車の破片が後頭部に突き刺さった。脳髄を粉砕されたその兵士は力なく地面に倒れ伏す。
中央アジア出身の大柄の兵士は、重傷を負いながらもミサイルランチャーを担ぎ、目の前で鉄の暴風を撒き散らすジンに一矢報いんとミサイルラン
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