1,小さな怪物と妖精との出会い
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為、知って居る人物が圧倒的少数。そんな彼は一人の女性とコンビを組んでいた。そのコンビ名が滅びの救済と言う名前。そしてコンビの女、女の名前が確か――――
「ウォーロッド」
彼の声で顔を上げた。血だらけの表情にはっ付けたかのような無表情、そうだ、あの女もこんな顔をしてた。まるで彼女を見ているかのように思えるほどに。
「クライム・フォール」
彼女の名前を呟く、彼は目を見開き、驚いた。
「それだ」
彼はウォーロッドの肩を掴み、言う。
「女の名前だ、そうだ、それだ。その名前だ。クライム・フォール」
新しいものを見付けた無垢な子供のように彼は目を輝かせ、その名前を何度も呟く。暫く呟くとある事に気付いたのかウォーロッドに問う。
「何故、名前を知って居るんだ?」
記憶が曖昧なのもあって女が自分の親だと認識して居ないのだろう。この真実を言うべきかどうかウォーロッドは悩む。その姿を見て彼がこう答えた。
「もう死んだんだ、何も思わないよ」
「!」
「何と無く、解った。女は俺の親って事、成る程納得だ」
そう言って彼はウォーロッドに今までの事をはなした、自分はどんな事をされたか、させられたか。彼女は何度も自分を庇った事やその最後をなど、詳細を包み隠さず話した。自分が普通で無い事も解っていた、それでも行く先も無い彼は彼女の最後の言葉だけが頼りだった。
「こんな自分が普通の場所に行くなんて無理だろう、それでも今はそれしかない、もうそれしかないんだ」
「‥‥」
ウォーロッドは黙って話を聞くしかなかった。確かに妖精の尻尾に彼を入れる事などウォーロッドには簡単な事だ。だが彼は異常だ。そんな存在をあそこに置いておけるか解らない。だが今の彼には変化が必要だ。彼の普通は異常、ならばそれを変えるには彼にとって普通と言う異常を感じさせるしかない。
ウォーロッドは決断した。
「スカーよ、一つ約束してくれないか?」
「?」
「もう、人を無暗に殺さないと約束してくれ」
そう言うと彼は少し眉を寄せる。
「約束を守る自信はある、だがそれをすると身を守れない」
彼は人の殺し方を骨の髄まで仕込まれたが自分の身の守り方を全く知らない、それはそうだ。殺してしまえば護る必要はない、何故なら死体は攻撃しないから。
「ならば私が教える、魔法をな」
「魔法? なんだ、武器の名前か?」
ウォーロッドは解りきって居た事だが深く溜息を吐いた。あの二人は魔法を真面に教えず、何故殺し方を教えたのかと。しかし嘆いても始まらない。
「使い方が解れば、きっと変わるぞ」
変ると言う言葉は彼には興味を持たせるには十分な言葉だ。証拠に彼はその言葉に喰いつき「教えてくれ」と懇願した。
「私が教えるのはあくまで簡単なものだ、きっと直ぐに身に着くだろう、それまで私と修行だ」
こうしてウ
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