1,小さな怪物と妖精との出会い
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ロッドは困り果てた、名前も解らない子供、嘘を言って居るようには見えないが彼は異常なのは一目見て解る。
「ん〜如何したものか」
「‥‥所で、正式な名を聞いて居なかった」
「ん、あぁ‥‥私はウォーロッド・シーケンだ」
名前を聞いて彼は咄嗟に構えた。攻撃の構えを。
「マカロフ‥‥ではないのですか。彼がマスターと聞きました‥‥私を騙したのですか?」
彼の瞳がすっと獲物を見据えたかのような瞳へと変る。ウォーロッドは慌てて言う。
「違う、元組織の人間だったと言いそびれてしまっただけじゃ。騙す気はなかった」
「‥‥そうですか」
残念そうに言うと彼は迫りくる軍勢をじっと見つめ、ふと呟いた。
「貴方は実力を知りたいと言って居ましたね?」
「む、そうだが」
「“あれ”を全て殺せば証明できますか? ギルドに入れるだけの力量があるか?」
押しをせてくる軍勢を指差し問う、ウォーロッドは酷く驚いた、この小さな少年は事もあろうか軍隊をあれですましている。余程実力に自信があるのだろう。
「待て、殺しては駄目だ」
そう言うと彼は。
「解りました、では殺さず無力化すればいいのですね?」
と言って次に
「十分位掛かります、では」
そう言って彼は軍勢相手に単身突っ込んでいった。何か有ってはいけないと援護できるよう身構えていたがその心配は杞憂だった。彼は一人で軍勢を圧倒していたからだ。剣で切られても平然な表情で敵を地に伏せ、殴り、投げ飛ばす。魔法を弾き、殴る殴る殴るの一方だ。鋼鉄で出来た鎧は砕け、剣は折れ、魔法は当たってもかすり傷一つない。気がかりなのは魔法は効かないのだが物理攻撃は彼に通じて居る事だ。剣で切られてば血が出る、然し魔法は効かない。謎だ。
「む?」
彼を見ていたウォーロッドはある事に気付いた。魔力の流れだ。
彼の魔力は凄まじい。魔力だけ見れば聖十大魔道にも及ばんとするほどだ、だが彼はどうしてか魔力を無駄に放出するだけで形作らない。そこでウォーロッドはこう考えた。
「魔法の使い方を知らないのではないか?」
このように考えた、でなければ抑々彼は傷一つ付くはずがない、いや“近付けない”の方が正しい。その恐ろしくも膨大な魔力を制御し、敵にぶつければそれで全滅だ、だがそれを彼はしない。するのはほんの少し魔力を拳に纏わせる程度、後は無駄に放つだけ。そして攻撃は恐ろしくも人を殺すための最小限の動きしかしない、今は殺すなと言っているからか、手加減をしているがそれでも下手をすれば死ぬ。
急所しか狙って居ない。この動きは洗礼された暗殺者のそれに近い。
「‥‥」
妖精の尻尾に居た頃にそのような動きをする者が居たか思い出すウォーロッド。記憶をめぐり、行きついた記憶に居た人物。名をガロウズ・ディスペアー、滅多に表に出てこなかった人物だ。主に情報収集をしていた
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