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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第2話 反撃の序章
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スーツである。
グディと異なり、市街地戦に重きを置いたゴライアスは、若干の改造でコロニーや宇宙ステーションでの無重力空間戦にも対応できる機体であった。
ハンスは流れるような動作で、瞬く間にゴライアスを着用した。
その右手には、20mmチェーンガン、左手には、銀色に光る特殊金属製のブレード、腰には、予備の弾薬と大型グレネード弾が6発……これだけで非パワードスーツ装備の機械化歩兵1個中隊とも戦える装備である。
さらにその背部には、小型化された液体燃料式のブースターパックが装着されている。
「第22機甲兵中隊の誇りを見せてやる!来い!宇宙人共!」
絞り出す様な声でハンス大尉は言った。
主戦場から少し離れたこの地で枯れた技術の結晶ともいえるその小人達のささやかな反撃が、
宇宙より欧州の大地に降り立った最新技術の塊である鋼鉄の巨人達に対して行われようとしていた。
「大尉!偵察班より通信です!敵に動きありとのこと」
「どうした?」
「て、敵部隊の装甲車が市街に侵入を開始、もうすぐ、B-2地区に侵入します」
偵察班の緊張した声がゴライアス内蔵通信機を通じてハンスに伝達される。
「こちらに画像を送れるか?」
「はい!」
ゴライアスのモニターを兼ねるバイザーに、ガン・ビートルより中継された偵察隊の設置式の監視カメラからの映像が写し出される。
これら監視カメラは、軍用のもののみならず、都市内に放棄されていた民生品を改造したものも含まれていた。
映像は、NJによる電波障害の影響で乱れが生じており、陽炎の様に朧げであったが、確かにジン3機とその足元に展開する緑色の軍服を着用したザフト兵と装輪式の装甲車を映し出していた。
やがて歩兵隊は、装甲車に乗り込み、市街地へと向かっていった。
「斥候のつもりか…歩兵とモビルスーツを分離するとは…愚かな奴らだ」
その映像を見ながらハンスが言う。
ザフト軍は、これまでの快進撃の影響でモビルスーツ中心主義に陥りつつあった。
その影響で後方の開発局では、何でもなるべく、モビルスーツで代用するという考えにより、モビルスーツのバリエーションや新型の設計開発が進められると共に前線では、モビルスーツと他の兵科の連携がおざなりになるといった事態が発生していた。
モビルスーツが無敵の兵器ではなく、他兵科との連携によってその力を戦場で発揮出来るのだという当然の認識をザフト軍の兵士の多くも持っていたものの、NJによる電波障害下での無敵ともいえるモビルスーツの戦果という魔力が彼らからそれを忘れさせつつあったのである。
これには、モビルスーツや戦闘車両に随伴できる歩兵程、歩兵を確保出来ないという事情も関係していた。
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