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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第49話『戦士』
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「時間がないんだ。だから、覚悟を決めてほしい。僕と行くか、行かないか。それがこの街の運命の分かれ道にもなる」


多勢に無勢とはよく言ったもの。相手が1人なら、アランヒルデといった王国騎士団などに応援を要請して、数で押すのがセオリーだ。
しかし、今彼らは大討伐の真っ最中。王都の中にはあまり残っていないだろう。恐らく、少年はそこまで見越して仕掛けているのだ。子供とはいえ、力業だけという訳でもないらしい。

つまり、彼を止められるのはここにいる3人のみ。この3人に、王都の行方が懸かっている。
それがわかっていて逃げ出すなんて真似は・・・晴登にもユヅキにもできない。


「「・・・行きます」」

「…ありがとう。恩に着るよ」


ミライは、心から感謝しているように見えた。







「やったか?!」

「いや、まだ魔力が視える。そう易々とは勝たせてくれないな」


晴登のぬか喜びを、ミライがピシャリと制する。彼は煙の奥をじっと見据え、敵の出方を窺っていた。

するとあるところを中心にして、煙が弾けるようにそれは霧散する。


「何人で来ようが、ボクには勝てないよ。大人しく降参して、街が征服されるのをウォルエナの腹の中で見ていれば・・・ん?」


余裕の態度で語ろうとしたのだろうが、彼にとって意外な人物が目の前にはいたのだ。


「キミはもしかして・・・ユヅキか?」

「う、うん…」


戸惑いながらも、ユヅキは正直に返事をした。もっとも、髪色のせいで誤魔化すことなどできないのだが。

その答えを聞き、少年の目の色が変わる。


「ようやく見つけたよ。さあ、一緒に帰ろう?」


先程とは打って変わって、優しい声で語りかける少年。その変わり身の早さがあまりにも不自然で、少し気持ち悪い。

そして「帰ろう」というのは彼の故郷のことなのだろう。ユヅキと同郷というのは間違いなさそうだ。

…何はともあれ、ユヅキが戦場に出る以上、この事態は想定済みである。
ミライからは『断ることは前提にしなくていい。正直僕たちにはわからない話だから、情報を得た上で君の判断に任せるよ』と言われている。
王都をこんなにして良い奴とは思えないが、かといって事情も知らないまま彼を否定し続けるのはダメだということだ。
……ファーストコンタクトの際の、こいつへの自分の対応はノーカンにして欲しい。あの時はユヅキを捜すのに必死だったのだから。


「…その前に、キミの名前を教えてくれない? ボクはキミのことを覚えてないみたい」

「いや、気にすることはない。ボクだってキミに会ったのは、これが初めてだ。ちなみにボクの名前は“ヒョウ”だよ」

「おい、ちょっと待て!?
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