第一剣 アルゲード
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ドアが開き、誰かが入ってきた。
「あれ、ライトじゃねぇか」
入ってきたのはキリト。同じく《攻略組》メンバーの一人で、俺が知る限り最強に近いソロプレイヤーだ。
「お、キリト。攻略からこっちにそのまま来たのか」
「キリト君いらっしゃーい」
キリトに俺達が言うと、手を上げて反応する。
「今回も疲れたけど、良いのが帰りにドロップしてな、エギルに売ろうかと」
「へぇ、どんなのだ?」
俺は聞くと、キリトはストレージを可視にして俺達に見せる。
「おいおい、S級のレアアイテムじゃねぇか」
「《ラグーラビット》といやぁ、最高級食材じゃん。現物は初めて見るな......」
「キリト君のラックすごっ......」
俺達の反応を見て、キリトは言う。
「料理スキルは上げてないから、食べようとしても変になるだけだし、それにこんなもん使えるほどスキルあげてる奴なんてそうそう居ないだろ?だから売りに来たんだよ」
「そうだったか。......涎を垂らすな阿呆」
ミザールを叩いて正気に戻すと、キリトに言う。
「まぁ、そんなキリトにお願いなんだが。明日の攻略手伝ってくれないか?」
勿論ミザールもと付けると、キリトは怪しげに俺を見る。
「急にどうしたんだ?何時もはそこの狼と一緒に行くだろ?」
誰が狼......あ、狼だと言うジンオウガの声はさておき、俺はキリトに理由を言う。
「お前も聞いてると思うけど、《軍》が近々攻略しに来るって話をな......。最近の奴等はちょっと危ういし、先にボス部屋見つけて《攻略組》のレイドを早めに打診して置きたくてさ」
「ああ、その噂なら俺も聞いたな。......まぁ了解した、お前が居るなら変なピンチにはならないだろうし、何より狙撃槍のミザール様が居るもんな?」
「その二つ名で私を呼ばないでよキリト君!!」
キリトを殴ろうとするミザールを拘束して、俺はエギルの店を後にした。
■■■
自宅に付くと、ミザールが椅子に座って憤慨する。
「もー、だからあの二つ名は嫌なのにぃ......」
「お前が遠くからクリティカルポイントに槍を投げるのが悪い......」
装備を外して私服になると、椅子に座ってストレージの整理をする。
「なぁ、新羅」
「んー?」
現実での名を呼ぶと、ミザールは反応してこっちを見る。
「もしよ、この世界がクリアされたら......どっか出掛けるか?」
「どっかって何処?」
俺は少し考えると、ジンオウガを頭に乗せながら言う。
「お前の好きなとこ。まぁお金の心配は在るけど、お前の行きたいところなら何処でも連れてってやるよ、約束する」
そう言うと、ミザールは笑って言う。
「じゃ、死亡フラグへし折ってでもクリアしないとね、この世界」
「建てた記憶は無いのだがなぁ......」
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