第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#52
FAREWELL CAUSATION?〜Silver&Crystal Rond〜
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究極融合業を以てしても、その越えられないブ厚い壁をより
はっきりと認識しただけだった。
「通用、しないのか……
何をしても、全く……!」
飛び散った真王の血から、ビルの瓦礫やアスファルトの亀裂から、
新緑の草花が露を濡らして咲き乱れる。
死者を生き返らせる事はないだろうが、
このような 『再生促進能力』 はDIOの血でも出来ない。
人類史上未曾有の頃、聖者、賢者、覚者無き刻、
『力』こそが【神】だった。
その究極点に位置する七人の真王、
脆弱な人間などただ大地に頭を擦り付け
従属に縋る存在でしかなかっただろう。
そのような無為蒙昧な存在に厭き、
各々別の「次元」へと旅立ち、
“見捨てられた存在”が現在の万物の霊長という人間に過ぎない。
紅世の徒、王であってもその空白を縫って
見捨てられた存在を貪って悦に浸っていた盲獣に他ならない。
“彼等” は想い出すべきであった。
生命の二重螺旋、炎の核に刻まれた追憶。
真王に支配されていた恐怖を。
箱庭の中で生かされていたという従属を。
告別の際は厳かに。
次元の境界が断滅の葬送を奏で廻転り出す。
正面のみならず四方頭頂部に至るまで全方位、
表裏も死角も真王には存在し得ない。
「ま、待て――!」
騎士に在るまじき懇願、だがせめて淑女とシャナだけでも。
殺すよりも興に浸ってる者に対する一縷の望み。
その矢先――!
『グヴォアァッッ!?』
アリエナイ光景。
暗黒大樹の一画、左面上方、その部分の黒枝が傾ぎ圧し折れ
散華する黒葉、幹にも亀裂が走った。
「ちぃッ! 浅かったか!」
巨大な樹幹、そのごくごく一部に走った蒼い斬閃、
ソレは真王の懐深くに抱かれた紅世の少女、
その樹掌に虚ろな双眸で立つ『本体』の左腕を掠めていた。
暗黒の木洩れの中から現れる闇蒼の月。
その傍らを護る翡翠の従者。
真王は亡くとも人は生きる。
生き続けられる。
人が人で在る限り。
誰かが傍に立っているのだから。
共に苦難に立ち向かって往けるのだから。
←TO BE CONTINUED…
Uh… It's a cruel world (can't you see)
Uh… We can't get away (We can't get away)
tell me baby what it takes (tell me what it takes with a pain)
wh
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