第6章 『八神はやて』
第50話 最終兵器はやて
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とした。やはりリアスと変わらない少女を手にかけるのは抵抗がある。もし、彼女の父が生存していれば、その望みは叶ったかもしれない。しかし、いまとなっては、すべてが手遅れだった。
問われた少女は、無言で手をかざす。そこに魔力が集中していき――――
「死んじゃえ」
「ッ!?」
――――攻撃で応えた。対話を断念したサーゼクスは、仕方なく戦闘に入った。試しに、消滅の魔力を放つが、青い物体は、びくともせずはじいてしまう。突然の攻撃に身をすくめた姿は、ただの無力な少女にしか見えなかった。
やはり、事情は分からない。死体の跡からみて、はぐれ悪魔を倒したのは、おそらく彼女だろう。血に濡れた姿から、襲われて怪我でもしたのかも知れない。先ほどの攻撃、様子見だろうにその威力は上級悪魔並だった。これは、放っておけば破壊をまき散らしかねない。と、サークスは、判断した。
「待ってほしい! 今我々が戦えば、駒王町は廃墟になる! どうか話を聞いてくないだろうか!」
「……」
サーゼクスの必死の呼びかけに対し、はやてが何事かつぶやくと、辺りに魔力が広がっていった。人影がなくなり、景色が色あせていく。
「これは、結界? 馬鹿な……次元をずらしたというのか」
「これでいいでしょ? だから早く死ね」
激しい攻防が始まった。サーゼクスは、遠くから消滅の魔力を放つも、すべて厚い魔力装甲により弾かれる。一方、はやては、魔力砲を乱発するが、戦闘経験がないので当てることができない。しかし、戦闘時間が進むにつれて、その狙いが正確になっていった。急速に戦闘経験を積みつつある。
(なんという戦闘センスだろうか。戦いと無縁だった少女が、たったこれだけの時間でここまで強くなるとは)
時間がたつほど、サーゼクスは不利になる。ここでサーゼクスは勝負にでた。魔力弾を連打し、驚いたはやての隙をついて、一気に接近する。そして、消滅の魔力を至近距離から放った。
しばらく、つばぜり合いが続くが、徐々にサーゼクスが押し負けていく。勝負に出たサーゼクスの無様な姿に、哄笑をあげるはやての瞳に映る感情は、憎悪一色。
だが、その油断を百戦錬磨の魔王が見逃すはずはなかった。抑えていた消滅の魔力を解放し、本来の姿に戻る。出力を最大にした消滅の魔力は、隙をついて一気に少女へと吸い込まれていき――――
(勝ったぞ!)
――――ジュエルシードが暴走し、勝利を確信したサーゼクスもろとも、駒王町は消滅した。
◆
「これは、結界? 馬鹿な……次元をずらしたというのか」
悪魔を倒そう。だが、悪魔のいう通り、駒王町に被害が出てはいけない。きっと、父が悲しむから。はやてにとっては、駒王町がどうなろ
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