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『八神はやて』は舞い降りた
第6章  『八神はやて』
第50話 最終兵器はやて
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判断して、ランキングトップ10クラス。天使陣営のミカエルや堕天使陣営のアザゼルが、直々に侵略してきた可能性すらある。
 この非常事態に、最高戦力である魔王が動くことになったのだ。


「これは……この女性と少女が異常な魔力の原因なのか?」


 現場に到着した彼は、困惑していた。魔力の出現元である小学校の校庭には、クレーターができていた。その中心部に横たわるのは、気絶している妙齢の女性と10才にも満たない少女。


「いや、少女のほうは、すでに亡くなっているな。女性のほうも、ひどく衰弱しているようだ。いずれにせよ、爆発的な魔力の原因は、彼女たちに尋ねるしかない、か」


 戦争の勃発という最悪の事態を回避できたことで、安堵する。とりあえず、部下を呼び、支配下の病院まで搬送する。女性のほうからは、人間とは思えないほどの魔力を感じられた。よって、目が覚めるまで、グレイフィアに任せが、冥界で監視することになった。


 次の日の夜。間の悪いことに、はぐれ悪魔の出現が知らされる。サーゼクスは、ちょうどすぐに対処できる位置にいた。生真面目な彼は、部下の制止を振り切り、直接討伐に向かう。
 その途中だった。住宅街に悲鳴が鳴り響き、現場に急行した。


「なんだ!?この魔力の高まりは……!」


 すると、はぐれ悪魔ではなく、臨戦態勢だったエクソシストが迎撃してきた。面を食らうも、サーゼクスとて戦争を生き抜いてきた古強者。すぐに応戦する。
 驚いたことに、敵は六式使いだった。空を飛び。目にも止まらなぬ速さで動き。紙のようにひらひらと舞い、鉄のように守りを固める。神器を持たぬ脆弱な人間が辿り着いた、まさに武の極致だった。


 これほどの使い手が気づかれずに領地に侵入していたことに戦慄する。だが、確かにエクソシストは手ごわかったが、相手が悪かった。単騎で魔王を倒せる人間は、物語の勇者だけだ。エクソシストは、手負いの虎を思わせる決死の表情を浮かべて挑むも、地力の差はいかんともしがたかった。
 やがて、サーゼクスが勝つ。とはいえ、彼に消滅の魔力を使わせたエクソシストは、やはり傑物だっただろう。本来ならこれで終わるはずだった――――そう、消滅していくエクソシストをその娘が目撃していなければ。


 悲鳴が響くと、突如として、莫大な魔力が出現し、青い光が天を貫いた。
 




「私はサーゼクス・ルシファーという。君の名前を聞かせてくれないかい?」


 いまさら何をいっているのだろう、こいつは。はやては訳が分からなかった。まあいい。これから死にゆく悪魔のことなどどうでもいい。いまは、さっさとこいつを倒して父と再会せねばなるまい。


 サーゼクスは、危険と分かっていつつも、少女と対話を試みよう
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