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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
4部分:第二話 悠里対百代
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しまう。百代はすかさず正拳を放つ。捌ききれないと感じた悠里はしゃがんでそれを避ける。百代の正拳は壁を抉ると、悠里はその腕と胸倉を掴んで押し倒す。


「なに!?」

「おおぉぉぉ!」


悠里は空中で百代の上に乗り、地面にぶつかると同時に踏みつけた。そこから空中に上がろとするが、


「捕まえたぞ!」

「っ!?」


百代は悠里の足を掴むと、そのまま勢いを付けて振り回す。


「そぅら!!」


勢いのついたところで悠里を壁にぶん投げる。悠里は宙で自由になった体を立て直して、壁に着地する。余程の衝撃だったのだろう。悠里の周囲には丸いくぼみが出来た。悠里は再び百代を見据えると、壁を蹴って百代へと接近した。


「輪舞旋風!三散華!」


勢いをつけての後ろ跳び回し蹴りを放つ。更に三連撃を繰り出し、攻勢は悠里に移った。


「ハアァァァ!」

「オォォォ!」


2人の拳がぶつかり合うと、大きな衝撃が周囲に広がった。悠里と百代は互いに距離を取ると、互いに笑い合った。


「嬉しいぞ悠里!やっぱりお前強かったんだな!」

「それはどうも。俺は今、保ってるのが不思議だよ」

「私は今とても楽しい!悠里は『アレ』を使え。お前の本気が見てみたい!」

「……マジ?」

「勿論だ!!」


強く頷く百代に悠里はチラリと鉄心を見た。


「悠里、次の一撃だけ許可しよう。全力で行きなさい」


そう言うと数人の修行僧は一本の剣を持ってきた。片刃の悠里の身長より大きな大剣で、黒の刀身と二つの穴が持ち手の上に空いている。お気づきの方が殆どだろうがこの剣、あのFFZの武器でお馴染みのバスターソードである。今は試合中なので、説明は省かせていただく。悠里はこれを片手で持つと、肩に掛けて百代と対峙した。


「次で最後だからな……全力で行くぞ、悠里!」

「臨むところ!!」


悠里はバスターソードを回し、背中に背負って目を閉じた。百代は拳を構えて目を閉じる。お互いとも集中し、気のぶつけ合いが起こる。やがて沈黙が続き、両者は同時に目を開ける。初めに反応したのは百代。必殺の力の籠もった正拳を悠里に放つため、接近する。

「画龍……」


対して悠里は、百代が射程圏に入ったと同時に背中のバスターソードを抜き一閃する。


「点、晴!!」


渾身の居合い斬りは百代に当たり、百代は吹き飛ぶ。吹き飛んだ百代は倒れると動かなくなった。


「それまで!勝者、天城悠里!」


鉄心が叫ぶと回りからはおぉ、と声があがる。悠里は勝利が確信すると、百代へと近づき顔を見た。どうやら、気絶してるだけのようだ。悠里は百代を担ぐと、急いで道場を出た。百
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