ガンダムW
1595話
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が、ちーっとお主に用があるという者達がやってきておるんじゃよ」
『何?』
最初の一言とは違う、若干下がった声。
それは、ハワードの言葉を警戒しているという事に他ならない。
まぁ、ガンダムのパイロットというのは秘匿されるべき存在なのに、そこにこうして自分を探して誰かがやってきたとなれば、警戒するのは当然だろう。
「いいか?」
まずはデュオの警戒を完全ではないにしろ、多少なりとも取り除く必要がある。
そう考えた俺がハワードに尋ねると、ハワードもそれを理解しているのか、頷きを返して俺に場所を譲る。
「久しぶりだな、デュオ。俺が誰だか分かるか?」
『……アクセル、か?』
「正解だ。ニューエドワーズ基地以来だが、元気にしてたか?」
『はっ、おかげさんで、この上なく元気に過ごしていたよ。にしても、何で俺の事が分かったんだ?』
ニューエドワーズ基地以来。
その言葉だけで、俺がデュオをガンダムのパイロットとして認識しているというのは理解したのだろう。不思議そうな様子でそう尋ねてくる。
「さて、何でだろうな。ともあれ、現在はガンダムも殆ど活動していないようだけど、暇なら俺達のところに来ないか?」
『はぁ? 本気か?』
「ああ、勿論。実際、ガンダムの1機は俺達と行動を共にしている。それは、お前なら情報を集めてるだろ?」
『そりゃあまぁ……けど、MSがガンダムでもパイロットも以前と同じとは限らないだろ?』
「そう? ガンダム程のMSを乗りこなせるパイロットが、そうそういるとは思えないけど?」
私に任せてと。そう視線を向けてくる凛と、場所を変わる。
元々交渉要員として連れてきたのだから、デュオとの交渉は凛に任せた方がいいか。
『あんたは?』
「あら、私の事を忘れたの? 前にこのサルベージ船に泊まっている時、私やアクセルの部屋を覗きにきたのに?」
『なぁっ!? べ、別にあれはそんなつもりじゃ……あ、もしかしてあの時の!?』
「正解。久しぶりね」
笑みを浮かべている凛だったが、その笑みは獰猛な肉食獣の如き笑みだ。
……実際、その凛の笑みを見たハワードの仲間達が、恐怖や畏怖の視線を向けているのだから、凛の笑みがどれ程の迫力を伴っているのかは明らかだろう。
「それで、デュオ。あの時の覗きの代金を払って貰えるかしら?」
『待て。待て待て待て!』
いきなり凛の口から出て来た覗きという言葉に、通信機の向こうにいるデュオは慌てたように叫ぶ。
それ以外にも、この部屋に元々いた者達は凛へと驚きの視線を向けていた。
……俺達と一緒にこの部屋に来た面々は、覗き発言にも驚いた様子は見せなかったが。
「あら、何を待つのかしら?」
『いや、だから覗きって何だよ、覗きって!
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