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提督はBarにいる。
肉の日メニュー争奪戦・1
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てあげたいのなら、譲られた当たり籤を吹雪に譲れば良かったのだが、白雪はそれをしなかった。罪悪感は多少あるものの、提督のスペシャルメニューの魅力に押し負かされた形だ。まぁ、その辺もこの鎮守府所属の艦娘らしいと言えばらしいのだが。

「さて、と。そろそろ並びに行きましょうか?他の非番の連中が並んでないとも限らないしね」

「……うん」

「そうだね」

 叢雲の号令に応じて立ち上がる初雪と白雪。恨めしそうな吹雪の視線を受けつつ、部屋を後にする。

「くっそ〜!帰ったら提督のお店で自棄食いしてやる〜!」

 そんな吹雪の叫びは虚しく消えるのだった。遠征や出撃、演習といった午後からの任務がある者は、当然しっかりと食事を摂って英気を養わなくてはならない。肉の日のスペシャルメニューを食べたいのだが、提督の仕込みが終わるまで店は開かない。昼飯時が過ぎれば当然、午後の任務が始まる。昼飯時に店が開けば運よくありつける可能性もあるが、手間暇掛けて作るスペシャルメニューが昼前に出来上がった事は、肉の日イベントが始まってから数える程しか無かった。なので午後からの任務がある者は泣く泣く別の場所で食事をする事になる。帰ってきたら残っている事を信じて……まぁ、それはかなり分の悪い賭けとなってしまうのだが。

 艦娘達が期待に胸を膨らませる提督のスペシャルメニュー、出来上がりの時は刻一刻と迫っていた。

 
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