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FAIRY TAIL~無表情な妖精
プロローグ 小さな少女と無表情な男
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たの』
女は涙を流しながら、血を吐きながら言葉を言い続ける。
『妖精が‥‥貴方を‥‥変える‥‥妖精の‥‥尻尾‥‥マスターの名前‥‥マ‥‥ヵ‥‥ロ‥‥フ‥‥』
「もう良い、喋らないで」
苦しそうに言う女を見て彼はそう言った。
『‥‥ごめんね』
彼女は最後にそう言って静かに息を引き取った。
其処からは全てが紅く染まった世界だけが残った。






また夢から覚めた。今度は悲鳴だ。先程の少女の悲鳴。
「おら、これでどうだ、あぁ!?」
複数の男に鈍い音が重なる、そして後から苦しむ声。何と無く解る、大人たちが少女を殴っているのだと。
止めてと懇願するも音は続く、奏でる様に音は続く。泣き声が続き、笑い声が重ねられ曲のように響き渡る。聞き覚えがあった。それは酷く、醜い光景を思い出させる。
夢見た事があった、彼以外に小さな子供が似たような声を上げて、動かなくなったのを。
「それ以上したら死ぬよ」
別に声なんてかける必要はなかった、赤の他人だ。だけど、掛けなければ少女は死んでしますし、何よりこの音は嫌な気持ちにさせる。大人たちは「はぁ?」と口をそろえて言う。
「てめぇ、今なんって言った?」
「そのまま殴り続けたら死ぬよ、ストレス発散で殴ってるなら止めた方が良い」
足音が此方に近付いて来る。目の前まで聞こえて、次に聞こえたのは風切る音。
殴られたのだと理解したのは脳が少し揺れたから、身体が揺れたから、痛みを感じないがそれで何と無く解った。目の前に居る男に殴られたのだと。
「おら、如何したよ、お前がサンドバックになってくれるんだろ? あぁ!?」
男はそう言いながら右左に殴りつける、顔、胸、腹と次々殴る、近くの大人たちは止めようと声を掛けるがそれでも止めない。
「おい止めろ、ソイツは危険だ!」
「はっ! こんなぐるぐる巻きにしてんだ、動けねぇよ」
男はそう言いながら殴る手を止めない。しかし、何時までも殴られ続けると言うのは少し面倒だ。
「気が済んだら止めてくれないか、眠たくなってきたから寝たいんだ?」
欠伸をしながら答えると男は何を思ったのか目隠しを外した。視界に入るのは醜い男の顔、その後ろで此方を見ている奴、そして周りは白い、それから白い髪の少女が横たわって居る。
「てめぇこれが見えるか?」
男は目の前でナイフをチラつかせる。多分脅しているのだろう。
「これをてめぇに刺せば死ぬ、意味わかるよな?」
「だから?」
脅しに成らない、それを伝えよとしたら男は如何も怒ったらしい、ナイフを振り上げ、怒声を上げた。
「もう頭来た、此処で死ねや?」
一気にナイフを振り下ろす、彼は体全身に力を入れ、力ずくで鎖を引き千切る。
「なっ!?」
後ろで見ていた男たちはその光景に驚く、一番驚いて居るのは目の前に立って、今まさ
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