IFエンド 「ディアーチェ・K・クローディア」
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まうのだから。
今回の原因の大元は小鴉にあるのだろうが、我らの関係が進展せぬのは何よりも我が素直に自分の気持ちを口にしないからであろう。
また今日もうやむやにしてしまえば、本当に今後小鴉にショウを取られてしまってもおかしくない。学業や喫茶店の店主としての力量などで負けるのは構わん。だがショウだけは……こやつだけは誰にも譲れん。こやつは我のだ。我だけのものなのだ。こやつの隣に我以外が立つなど許せるはずもない……
「……許してほしいなら…………にせぬか」
「えっと……肝心な部分が聞こえなかったんだが?」
「――っ。……えぇい、ならばはっきり言ってやる!」
凄まじく恥ずかしくて爆発しそうだが、女は時として度胸。というか、ここで言わねば今後言える気がせぬ。それにこやつを誰かに取られるくらいならば死ぬほど恥ずかしい想いをするほうがマシだ!
「我を貴様の……お、お前だけのものにしたら許してやると言っておるのだ!」
よ、よし、よく言ったぞ我! やればちゃんと出来るではないか……む? 何ならショウの顔が真っ赤になっておる。何故こやつまで顔を赤らめておるのだ……
「ディアーチェ……今のは…………その、お前からのプロポーズってことで受け取って良いのか?」
「な、何を言って……!?」
我とショウは現在友人同士ではなく恋人。その状態で我をショウだけのものにせよ、という発言は我を嫁として受け取れという意味と同義であると言える。
いやいやいや、待て待つのだ。確かにゆくゆくは結婚も考えて交際しておる。こやつに言ったことはないが、子供が何人ほしいとか将来こういう生活をしたいということに想いを馳せることも多々ある。し、しかしだ、今日明日に夫婦になる覚悟は出来ておらぬぞ。
でも勘違いするでない。夫婦になるのが嫌というわけではないぞ。恋人としての期間はそれなりにあったし、段階的に次に進んで良い時期だからな。だが……やはり急にショウが恋人から夫になるというのはあれなわけで……えぇい、我はいったいどうしたら良いのだ!?
「そそそその、そのだな……い、今のは!?」
「あぁ分かった、分かったからとりあえず少し落ち着け。落ちたら割れるものも近くにあるんだから今の状態は危険だ」
「急に自分だけ冷静になるでない、このうつけ!」
と言いはしたが、ショウの顔には赤みが残っている。冷静に振舞おうとしているだけで決して普段通りというわけではないのだろう。まあ我の方が格段に普段通りではないのだがな。ショウに対して背中を向けておるのが良い証拠よ。
……顔を見ろだと? 何を言っておるのだ、このたわけ。そんなことをしたらまともに話せなくなるではないか。今の我ならば恥ずかし過ぎてこの場から走り去るぞ!
「……まあ、なんだ。……俺の考えと
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