IFエンド 「ディアーチェ・K・クローディア」
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業中なら金もらうけどな」
「ちょっ、そこはおまけしてな。じゃあ、そろそろ行くなぁ……あ、ショウくん。今度デートしよな」
「バカなこと言ってないで行くならさっさと行け」
ショウの返しに小鴉は唇を尖らせたが、すぐに笑みを浮かべると手を振りながら出て行った。その際、我と目が合ったわけだがウインクをしながら念話で我に「さっさと身を固めんと本当に取ってまうよ」と言われる。
さっさと? ……あやつ、もしや我の危機感を煽って先に進ませようとしておるのだろうか。ショウと付き合い始めてそれなりに経つだけに可能性がないわけではない。母上やレーネ殿からも結婚はいつだの、孫の顔はいつ見れるのかなどと会うに度に言われておるし。
しかし、発破だけでなく本当に奪おうとしている可能性もある。そう考えると、あやつは我の友人の中で最も腹芸が得意なだけに楽観的に捉えておくのは危険に思える。
「ディアーチェ、難しい顔してるがどうした?」
「別に何でもない」
「何でもないのにお前が人を睨むわけないだろ?」
「……少し考えれば分かるのではないか?」
我の目つきが鋭くなっていると理解しておるのならば、我がどうしてそのようになっておるのかも貴様ならば推測できるであろう。我は意味もなく人を睨むような真似はせんのだから。
「まあ……単純に考えればやきもちだろうな」
「それが分かっておるのならどうして貴様はあのような態度なのだ?」
「それについては長年の習慣というか……素っ気ない態度を取ったらそれはそれでお前は怒るだろ?」
それは……否定はせぬが。
我のこのような性格が面倒だと思わせておるかもしれぬが、このような性格なのだから仕方があるまい。我は勝負事は基本的に真正面から受けるタイプなのだから。まあ勝負内ではあれこれ策を巡らせたりするがな。相手を不戦敗に追い込むような手段を取らぬだけであって。
「別に……怒りはせぬ。ただ……小言を言うだけだ」
「それは多少なりとも怒ってるってことだろ」
「……うるさい」
確かに我も悪い。が、貴様だって悪いのだぞ。我の恋人のくせに誰にでも優しくというか同じように接しよってからに。我から我を特別扱いせよとは言わぬが、さらりと特別扱いしてくれても良いであろうに。我は貴様の恋人なのだぞ。
「あのな……拗ねるなよ」
「拗ねてなどおらん」
「だったら何で顔を背ける? ……なあディアーチェ、俺が悪かった。頼むから許してくれ」
正直なことを言ってしまえば、我とショウのどちらが悪いかと言われれば我だろう。
何故なら我は、我のことを特別扱いしてほしいと心では思いながらも、他の者を無下に扱うことは望んでおらぬ。故にショウは友人達への態度をこれまでと変えはしない。にも関わらず、やきもちを妬いて拗ねてし
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