IFエンド 「ディアーチェ・K・クローディア」
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か。
まあこやつのペースに負けてコーヒーを注ぐ我も我なのだが……やはり我もどこかおかしいのだろうか。
自分の恋人を奪うと言ってきた相手に普通に接客するのはよほどのうつけか、奪われない自信がある奴だけだろう。
我の場合……どっちなのであろうな。
変にくすぶられて我らとの関係に亀裂が入るくらいならば、我は正々堂々と奪いに来いと言うだろう。ショウは我が選んだ男であるから信じておるというのもある。だが我が選んだ男が違う女になびいてしまったならば、我がその者よりも魅力がなかったというだけの話……などと思ってしまう我も居る。
「小鴉、先に言っておくがこれ以上飲むようなら金をもらうからな」
「あのな王さま、私だってそこまでがめつくないで。というか、さすがに3杯目行けるほどの時間は残ってへんかな」
「だったらさっさと飲んで仕事に行かんか」
「えぇー、そこは時間ギリギリまでゆっくりしていけって言ってほしいんやけど」
開店準備が全て終わっておるなら口にしても良いが、あいにく貴様が来たタイミングがタイミングなだけに微妙に残っておるのだ。相手をしてやってるだけでもありがたいと思わんか。
「それに……まだショウくんに会っとらんし」
「小鴉……分かっておるとは思うがまだ開店時間にはなっておらぬのだ。昔なじみ故に開店前に入れてやっておるのだから少しは遠慮したらどうだ? 大体あやつは我のもの、略奪すると口にした者に簡単に会わせるわけなかろう」
「でもここから呼んだら顔くらい出してくれるやろ?」
それは…………出すであろうな。あやつの性格的に。無愛想なようで面倒見は良いし、面倒臭くてもなんだかんだで相手にしないなんてことはしない奴なのだから。
ぐぬぬ、相変わらず不必要なことには頭が回る奴よ。昔から分かっておったことだが、年を重ねたことで一段と腹黒くなりよって。
「あやつはケーキの準備やらで忙しいのだ」
「どうしたん王さま? 急にカリカリし始めて。余裕があるように見えて本当は私にショウくん取られるって不安なん?」
「ええい、ニヤニヤするな! だれも貴様に取られるなどと思っておらぬわ。貴様のそのにやけ面と人をおちょくるセリフが気に入らぬだけだ!」
「じゃあ、そこを直せばショウくんをデートに誘ってもええってことやな? まあこれまでに何度かしとるんやけど」
「な、何……!?」
どうして今の流れでそうなるのだ。人の揚げ足を取るような真似をするでない。
と言いたいところではある。が、それ以上に重大なのは小鴉がショウとデートをしていたという部分だ。我の知る限りそんな話は聞いておらん。小鴉の作り話という可能性はあるが、逆に言えば本当にしていた可能性もある。
「さっきから騒がしいと思ったら……やっぱりお前だったのか」
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