暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
IFエンド 「ディアーチェ・K・クローディア」
[6/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
それは置いておくとしよう。
 今大切なのはそこではない。我とショウが付き合っておると知っているにも関わらず小鴉が想いを打ち明けてきたことだ。これまでの関係を破壊しかねないというのに何故このタイミングで……六課解散から我らが付き合うようになるまで時間があったのだから言うタイミングはあってであろうに。
 しかし、これだけは言える。小鴉は何かしらの覚悟を決めておる。ならば我は最後まで聞くしかあるまい。今後どうするかなぞそれから決めれば良いのだから。

「……よし、今の状況に納得しておらぬがあれこれ言うのは後回しだ。言いたいことがあるなら最後まで言うが良い」
「怒られるかなって思ったけど、こういう時の王さまは男前やな。私が女やったら惚れてまうかも」
「怒るだけならあとでも出来る。聞いてからでも遅くはなかろう……って、それを言うなら男ならであろう。すでに貴様は女だ。というか、貴様が惚れておるのは我の恋人であろう。ふざけてないで話を進めんか!」

 こやつ、真面目に話をするつもりがあるのか。大体誰が男前だ。そのへんの女子よりも我は女子力があるであろうに。それでも我が男前というのならそれは男共が女々しいだけよ。我が悪いわけではない。

「話を進めろと言われてもなぁ……本当に進めてええの?」
「くどい。進めて良いと言っておるのだからさっさと進めぬか」
「ならまあ進めるけど……さっきも言うたけど私はショウくんが好きや。王さまのことも好きやけど、ショウくんの隣には自分が居たい。やからチャンスがあれば奪うつもりでおるんやけど……」
「貴様、もう少しシリアスに話さぬか!」

 人の恋人を略奪すると言っておるのに何故そんなにも普段通りというか、世間話をするかのようなリラックスした顔で話すのだ。

「えー」
「えー、ではない! 貴様は自分が何を言っておるのか本当に分かっておるのだろうな。普通ならばこれまでの関係が壊れてもおかしくないのだぞ!」
「確かに普通ならそうなんやろうけど……王さまの対応が普通やないやん。私をここから叩き出すどころか、きちんと話聞いてくれるし。シリアスにならんのは私だけやのうて王さまも悪いと思うんやけど」

 ぐぬぬ……それはそうかもしれぬが。
 しかし、どこに真正面から普段通りの口調で友人に恋人を奪うと言う奴がおる。……目の前に居るのだが、こやつは常識的に考えておかしい。もしかすると我もおかしいのかもしれぬが、こやつよりはおかしくはないはず。

「あと王さま」
「今度は何だ?」
「コーヒーのおかわりもらってもええ?」
「……はぁ、貴様相手に真面目に対応しようとしていたのがバカらしくなってきた」

 こやつはどういうつもりでショウを奪うなどと口にしておるのだろう。これでは空気的にただの談話と変わらんではない
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ