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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
32部分:第二十八話 大和の覚悟
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第二十八話 大和の覚悟
2009年5月5日(火)
「38.6℃……完全に風邪だな」
測り終えた体温計を見て俺は言った。
ドイツの軍人との邂逅があった次の日の今日、朝から体調がよろしくないという大和の具合を見てみると、なんと風邪を引いていた。
理由は昨晩、ガクトとモモ、大和の3人で近くの温泉に覗きに行こうとして、警報装置に発見されて逃げるときにモモから川に落とされたそうだ。
ちなみにそのまま帰ってきたモモにはアイアンクローをしておいた。
同じ境遇のガクトが風邪を引かないのはやはりバカだからか?
「……けど、やめる気はないよ」
「誰が止めるって言ったよ?とりあえず応急処置くらいはしてやるから、あとは自力がんばれ。……快気功」
俺は手の中で印を組んで、気を一定の範囲に張る。この快気功は俺の気と大地の気を混ぜ込み、自身と対象者の体の異常を治す術だ。完全にとはいかないが、少しはマシになったはず。
「あとは念のためな解熱剤飲んどけ。クリスは知らないとはいえ、油断は禁物だからな」
「わかった。ありがとう兄さん」
そこへモロがフロントから解熱剤を貰ってきた。
事の始まりは昨日の親バカ軍人との一悶着のあと。俺達は思い思いの時間を過ごしたが、その中で大和がクリスに決闘を申し込んだ事が始まりだ。
クリスの家は代々続く軍人の家計で、クリスはそのことを誇りに思っている。そんな軍だからこそ、作戦はとても重要なもので、策を用いる重要性を大和は指摘した。それに対してクリスは
「……お前が言ったところで説得力が無い。いや言葉に重みがない?あるいは口だけと言い換えるべきか?」
とのこと。
つまりは小手先だけ、口だけ達者なやつと思われてるようだ。それを聞いて大和が黙っているわけがなく、結果的にクリスとの決闘が行われることとなった。
「とりあえず、本当にヤバそうだったら無理矢理にでも止めるからな?結果はどうあれ、だ。それでいいな?」
「わかった」
そう言って俺は部屋を出て行く。
「……さて、お前さんは何をしてるんだまゆっち?」
「す、すみません。……で、でも大和さんは本当に大丈夫なんですか?」
「まぁ、体力の低下とか健康状態を考えたら、あまり芳しくは無いな。不利だし」
「おいおい。無理はよくねぇ。よくねぇよー?体大事にしないで知能派名乗れるかっちゅー話だぜ?」
「松風もそう言ってますし、ここは」
「まゆっち」
俺はまゆっちに目を合わせる。それを見たまゆっちは、わたわたと慌てる。
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