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提督はBarにいる。
『肉の日』の特別メニュー
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…完成して店を開けるまで何が出されるか解らない、そういうビックリ感も演出の1つだ。

『まぁ、フォンドヴォーは缶詰も売ってるから、普通に作るならそっち使った方が楽だがな』

 なんて事を考えながら、牛肉の塊を刻んでいく。ステーキ肉位の厚みに切り出し、5〜6mm幅の細切りにする。ビーフストロガノフってのは、ロシアのウラル地方にあった貴族であるストロガノフ家の当主が、老いて歯が抜け落ちて大好きなビーフステーキを食べられなくなった為に生み出した料理だと言われている。牛肉を刻んだら玉ねぎをスライスし、マッシュルームもスライス。

 お次は生クリームと水気を軽く切ったプレーンヨーグルトを同量混ぜる。本式のビーフストロガノフだとサワークリームをたっぷりと入れて食べるんだが、ちとくどくなるのでその代わりだ。ヨーグルト+生クリームの方がさっぱりとして食べやすい。



 さぁ、牛肉を焼いていくぞ。フライパンを熱してサラダ油を引き、刻んだ牛肉をほぐしながら炒めていく。色が変わったら塩、胡椒を振ってすぐに取り出す。レシピ説明に載せたのは4人前だが、こっちは100人前。肉の分量も4kg近いので一苦労だ。

 お次はフライパンにバターを溶かして玉ねぎとマッシュルームを炒めて、玉ねぎがしんなりするまで炒めたらトマトペーストと白ワインを加えたら水かさが半分になるまで煮詰める。……つもりだったんだが。

「……こりゃフライパンじゃ無理だな」

 何せ100人前を一気に仕込むから玉ねぎが25個分、軽い山積み状態だ。刻むだけでも一苦労だが、フライパンや中華鍋では入りきらない。仕方なく寸胴鍋で炒めながら煮詰めていく事に。マッシュルームも数十個、トマトペーストは1缶、ワインに至ってはボトル3本以上をぶちこむ。

 ワインを加えて煮詰めたら、フォンドヴォーを加えて2/3位の水かさになるように煮詰めていく。焦がさないように弱めの中火で煮詰めていくが、量が量だけに時間がかかる。

「こりゃ昼過ぎまでかかるか?……今の内に付け合わせも仕込んでおくか」

 ビーフストロガノフの食べ方としては、ご飯やパスタに掛けたり、揚げたジャガイモと一緒に食べるのがポピュラーだ。煮詰めている寸胴を焦がさないようにかき混ぜながら、付け合わせの主菜を作っていく。用意したのは、

・ライス(ジャポニカ米)

・サフランライス(インディカ米)

・平打ちパスタ(フェットチーネ)

・ショートパスタ(ファルファッレ)

・揚げた皮付きジャガイモ

 の5つ。ジャガイモは8つに割って素揚げして軽く塩を振り、パスタも芯が残らないように茹であげてある。




「うっし、いい感じに煮詰まったな」

 鍋の中身が煮詰まったのを見計らって、炒めておいた牛肉を鍋
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