第三十話 論戦に向けて二
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「ですから」
「彼等を完全には消せませんね」
「この国、ひいては四国から」
「そうですね」
「若し除こうとすれば」
国内の新教徒達をそれこそ完全にだ。
「王国の様になります」
「内戦は今も続いていますね」
「惨たらしい殺し合いが続いています」
新旧の両教徒達の間でだ。
「今も」
「だからですね」
「そうです、彼等に優位に立つことは必要ですが」
「完全に除くことはでうsね」
「出来ませんししようとすればです」
「王国の二の舞となる」
「そうなります」
まさにというのだ。
「ですからどうかです」
「わかっています、実は以前はです」
マイラは過去の自分の考えをここで述べた。
「この国を再びです」
「完全に旧教のものにですね」
「されようとしていましたね」
「そう考えていました」
実際にというのだ。
「私もまた」
「それは私もです」
「私も同じです」
オズワルド公も司教も言った。
「ですが王国の内戦の実情を知り」
「そして教皇庁を外からよく見ていますと」
「どうにもと思いました」
「そして太子のお話も聞きましたので」
「だからです」
「それはならないと思ったのです」
新教徒達への弾圧はというのだ。
「ある程度にしろ融和は計るべきです」
「帝国の様に」
「旧教の国であるべきですが新教も認める」
「そうするべきです」
「そして教皇庁とはです」
「距離を置くべきです」
旧教の総本山である彼等とはというのだ。
「どいうしてもです」
「そうあるべきです」
「異端審問は呼びました」
彼等はというのだ、実際にマイラは彼等によってこの国の新教徒達を取り締まらさせようとしていた、このことは司教も同じ考えだった。
しかしだ、それでもだったのだ。
「しかしです」
「はい、思い留まられましたね」
「彼等を呼んだ後で」
「それで今もですね」
「動かさせていませんね」
「彼等はマリーも狙っているとです」
ここでだ、マイラは目を曇らせた。そのうえでの言葉だった。
「聞きましたし」
「だからですか」
「尚更ですか」
「はい、止めました」
このこともあってというのだ。
「王族を害することは許しません」
「王族は臣下が罰してはならない」
オズワルド公が言った。
「この法がありますから」
「はい、ですから」
「あの者達が動くことを許されていませんか」
「そうです」
こうオズワルド公に言うのだった。
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