マイ「艦これ」(短編)「トモダチっぽい・中編」
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当に金髪がきれいだな。
その夜は久しぶりに明るい食卓になった。私は艦娘って何食べるんだろう? ……って思ったけど。見ていると普通に私たちと同じものを食べるようだ。
なるほど……こうやって見ると夕立ちゃんは普通の女の子って感じだ。
彼女を見て母親がふと言った。
「何だかね、あんた見てるとウチの一番上の女の子を思い出すんだよね」
私は一番上の姉を知らない。
「そうだな。そういえばそんな感じだな」
父親も同意する。その言葉に兄もまた、しきりに頷いていた。調子の良い兄だ。私が言わないと仏壇に手も合わせないくせに……本当に分かってるのかな?
「そうなんだ」
夕立ちゃんは自然に応対している。兄よりも反応が良い。何だろう……やっぱり、本当の『お姉さん』って感じがする。
「ご飯のあと、お風呂入る?」
『お風呂?』
夕立ちゃんと二人の男子が応える。
『あ……』
二人の男子が同時に口を開いた。滑稽だなあ、男子って。
何を言うのかと思って私と母親が見ていると互いに目配せをしてから、まずは父親が言う。
「えっとね、ウチのお風呂は普通の風呂なんだ」
『は?』
私と母親は最初、父が何を言わんとしているのか、何のことか、よく分からなかった。
それを察したのか兄が補足した。
「えっと、多分夕立さんは怪我してると思うんだけど。その怪我がすぐ治るとか、そういうドックみたいな風呂じゃないから」
兄にしては珍しく饒舌だ。いつもその調子で話してくれれば良いのに。
そんな説明を母は不思議そうに聞いている。
「あ、何となくそれ、ワカルっぽい」
夕立ちゃんは、ニコニコして二人の男子を指指した。
「銭湯みたいな所、行ったことアルっぽいんだ」
なるほど。艦娘も現実の『お風呂』の違いは分かっているようだ。
半分は理解したような母は私に言った。
「そうだ、せっかくだからあんた一緒に入ってあげな」
「……え?」
いきなり母親に振られた私は焦った。
でも、直ぐに悟った。
「うん」
夕立ちゃんにとって普通の人間のお風呂っていうのもきっとあまり経験ないよね。
「分かった」
「ぽい?」
「うん……ぽい」
私は夕立ちゃんの反応に合わせてあげた。
私は食事が終わってから夕立ちゃんを、お風呂に案内してあげた。何となく廊下をゾロゾロと、付いてきたがっている二人の男子だったが、母親が、しっかり目を光らせていた。心強いぞ、お母さん。
脱衣所に入ると私は言った。
「ごめんね、きっとウチの風呂は狭いから」
「ううん、大丈夫っぽい」
ニコニコして軽く頭を振った夕立ちゃん。私が籠を出すと、そこで服を脱ぎ始める。
至近距離で見ると、やっぱりかわいくて美人だ。良いなあ
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