プロローグ
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〜シュバルツァー男爵邸〜
「…………なるほどな。ユミルが襲撃されたのはそういう事だったのか。そしてその肝心な時にユミルを留守にしていた為、まんまと猟兵達の襲撃を許し、シュバルツァー男爵が匿っていたアルフィン皇女を奪われたという事か、トヴァル・ランドナー。」
ユミル襲撃の事情をシュバルツァー男爵の妻、ルシア夫人と遊撃士トヴァル・ランドナーから聞いたリウイは呆れた表情でトヴァルを見つめ
「………返す言葉もありません………肝心な時に男爵閣下を含めたユミルの方々を守る事ができず、誠に申し訳ございません……」
見つめられたトヴァルは疲れた表情で肩を落とした様子で答えた後頭を深く下げた。
「……その件に関してはエレボニアの内戦に他国である我が国まで巻き込まれる事はないと高をくくっていた我等メンフィルにも落ち度があるから謝罪する必要はない。それで?お前がユミルを留守にしていた理由――――ユミル渓谷からこのユミルまで届く程の咆哮をした謎の魔獣の捜索、並びに撃破について、何か進展したのか?」
「その事に関してですが……情けない事にユミルから火の手が上がるまで渓谷をしらみつぶしに探していたんですが、咆哮の持ち主と思われる魔獣は見つからなかったんです………」
「…………まあいい。ルシア夫人、一つ聞きたい事がある。」
疲れた表情で答える様子のトヴァルの話を聞いて目を伏せて考え込んでいたリウイだったがすぐに気を取り直し、ルシア夫人に視線を向けた。
「はい、なんでしょうか。」
「何故シュバルツァー男爵はアルフィン皇女をユミルで匿っていた事をゼムリア大陸に存在するメンフィル帝国領の総管理も兼任している俺に報告しなかった?アルフィン皇女を匿っていた事等先程の説明で初めて知ったぞ。」
「そ、それは…………」
「――――申し訳ございません!俺が男爵閣下に陛下への報告を待ってもらうように要請したんです!ですから男爵閣下を含めたシュバルツァー家の方々に非はありません!」
リウイの指摘にルシア夫人が答えを濁しているとトヴァルが頭を深く下げて謝罪した。
「………フン、大方俺達がアルフィン皇女をメンフィル帝国領で匿った件を理由にしてエレボニアに対して大きな”貸し”を作る事を恐れ、俺達への報告を止めていたのだろう。」
「陛下の御推察通りです………今回の件は俺の”独断”によるものですので責任は全て俺が取りますので、できれば遊撃士協会に今回の件に関する責任を負うようなことを迫らないよう、お願いします……!」
鼻を鳴らして厳しい表情で自分を睨むリウイに対してトヴァルは頭を深く下げたまま答えた。するとその時シュバルツァー男爵の見舞いや治療でシュバルツァー男爵が休んでいる部屋から出て来
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