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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
29部分:第二十五話 箱根旅行一日目
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た。俺はフェンリルをステルスモードから戻すと、ヘルメットを被る。
「持ってくのか?」
「置いておく訳にもいかんだろ。ついでに後で、その辺走ってくるよ」
「じゃあ、私達はバスで先に行くとしよう」
クリスとワン子以外のメンバーはバスに乗り込むと、その場を後にした。旅館に到着すると、まずとても綺麗な宿だと思ったら……九鬼財閥傘下の旅館だった。チェックインを済ませると、俺達は部屋へと荷物を運んだ。
中ではそれぞれが思い思いの事をする中、俺は外に出てフェンリルへと向かう。
「行くのか?悠里」
俺がフェンリルでツーリングに出ようとすると、後ろからモモが声を掛けてきた。俺はサイドのラックを開くと、中からヘルメットを取り出すと、モモに投げた。
「一緒に行くか?」
「……いいのか?」
「さっきから行きたそうにしてただろ?別にいいよ」
「そうか」
モモはヘルメットを被ると、俺の後ろに座って俺の腰に手を回す。その際に、やはりモモの体が密着してしまって、モモの胸が当たってしまう。
(……いや、今更だな)
自分から誘っておいてそれは蛇足だろう。俺はフェンリルをスタートさせて旅館を後にした。
「おー!やっぱり早いなー!」
後ろでモモは声を上げてはしゃいでいた。
箱根の山の景色はとても綺麗で、バイクから感じる風がとても心地いい。
少し走ると駐車場を発見したので俺はそこに入った。
「思いのほか、気持ちよかったな」
「だろ?偶にはこういうのも必要だし」
「そうだな、悪くない」
上機嫌でモモは答えた。ここ最近は決闘が無かったから、また欲求不満になったかと思っていたが、そうでもないみたいだな。
「しかし……旅行が箱根とはな……ウチのキャップは凄い所を当てたな」
「昔から運は凄かったからな……」
おもちゃの付いたお菓子を買えばシークレットを当てるし、カードなんか感でレアカードを引き当ててしまう強運の持ち主だ。もう強運ではなく豪運と言ってもいい。
「それはそうと……モモはあれから大丈夫なのか?いきなり相談された時はビビったけど」
「ん……?……ああ、まだ理由は見つからないが、とりあえず少しずつやろうと思ってる」
そんな感じで俺とモモは談笑して過ごす。他には学校での他愛もない話などだったが、とりあえずモモも楽しんだようだったからいいか。
「……っと、そろそろ時間か。そろそろ戻ろうぜ」
「もうそんな時間か」
ケータイの時間はそろそろ4時。旅館に戻って4時半くらいだからちょうどいいな。
「なあ、悠里」
「ん?」
「私達は……」
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