5VS6!ZワザVSメガシンカ(1)
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シロデスナには届かない。
「しまった……ルリ逃げて!」
「無駄だ、ダダリンの『アンカーショット』からは逃げられない。続けろ、『ギガドレイン』だ!」
ダダリンがマリルリの体を締め付け、更にシロデスナと共に体力を吸い取っていく。マリルリがもがくが、鋼の拘束から抜け出す術はない。数秒後、ジャラジャラという音と共にだダリンの鎖が拘束を解いて舵輪と合体した時には――マリルリは水風船のような体がすっかりしぼみ、倒れ伏していた。そこで初めて、ジェムは自分の過ちに気付いた。ルリは警戒すべきだと言ったのに、それを無視した自分のせいだ。
「あ……」
「ハッハッハ!ゴーストポケモンのことなら知ってるとか息巻いて焦って突撃させたあげく無駄に瀕死にさせたか」
「……戻って、ルリ」
悔しくて仕方ないけれども、言われたことは事実だ。後悔に苛まれながらも、マリルリをボールに戻す。
「ま、それも当然だよな。お前はあいつから本当の愛情なんざ貰っていない。錯覚しているだけの偽りの心しか受け取ってないやつに、自分の手持ちを本当に気遣うなんてできるわけねぇか……クククク、ハハハハハハ!!」
男は目元を抑えて哄笑する。フードが外れて金色の髪が露出したのも気づかずに、ジェムと、その母親のことを嘲笑する。何が彼をそこまでさせているのかはわからない。わかりたくもない。ただ、ジェムの心を真っ赤な怒りが支配した。
「嘘よ……あなたの言うことは! 嘘をつくなあああああああああ!!」
ボールを叩きつけるようにして手持ちのクチートを出す。出てきた瞬間に後ろの顎が、そしてヤミラミの瞳の宝石が輝き始める。二体が光に包まれ――ひび割れるようにして光が消えていくと、そこには顎を二つにしたメガクチートと、宝石を盾のように構えるメガヤミラミがいた。
「この光……二体同時のメガシンカか。まさにお前の偉大な父親の象徴だ」
「お父様のことまで馬鹿にする気!?」
「いいや、あいつのことは認めてるさ。俺なりにな」
その言葉と共に、シンボルハンターの体が黒く染まり始める。いや、闇が覆い始めていく。
「だが、お前のメガシンカ如きじゃ俺の闇は覆せねえ。この地方のチャンピオンでさえ扱えないゴーストの真の悍ましさを見せてやる!」
闇がシンボルハンターの体を覆いつくし、中からどす黒い光が放たれる。それはシロデスナとダダリンに向かって飛んでいき、特殊な力を纏わせた。ジェムにはそうとしか表現できない、見たことのない力だった。
「光輝なる者さえ夢幻の闇へ誘う反骨の掌! 今顕現しろ!」
ダダリンとシロデスナの二体を中心に、おどろおどろしい闇の波動が地面を伝っていく。メガクチートとメガヤミラミを取り囲むように、何本もの黒い腕が手招くようにしなり震
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