5VS6!ZワザVSメガシンカ(1)
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
出した二体は、ジェムが本やテレビの中でしか見たことのないポケモンだった。まるで海辺に作った砂の城のような姿に、もう片方は船にくっついている舵と錨が、海藻によってくっついたような姿。見た目だけでは、ゴーストタイプではないようにも見える。だが砂の城の奥から覗く全てを取り込もうとする瞳が、舵輪にくっついてぐるぐると歪に回るコンパスの不気味さが、彼らは紛れもなくゴーストタイプであると告げている。
「行くよ! ルリ、『アクアジェット』! ミラ、『影分身』!」
「ルリ……」
「大丈夫、私は本で見たことあるからその子たちの事は知ってる。早く攻撃して!」
「……リル!!」
知らない相手を警戒していたマリルリは躊躇したが、ジェムの表情と怒気を感じて尻尾から水を噴射することで突撃する。そこへヤミラミの影分身が加わり、2体に分身したマリルリが相手二体を狙った。向こうは顔に当たる部分がわかりづらいせいか、単に鈍重なのか動く様子すらない。本体のマリルリはシロデスナの背後に回ると、小さな拳に大きな力を籠める。
「一気に決めるよ! ジャンケン、『グー』!」
「おっと、『鉄壁』だ!」
マリルリと一緒に編み出した手遊びの掛け声に合わせて繰り出される小規模の『腹太鼓』による強力な一撃を、シロデスナは体の城壁に当たる部分の大半をマリルリの方に固めた。拳が振りぬかれ、砂が飛び散った。だが、すぐに砂はシロデスナの元へ寄せ集められていく。
「でもその子は地面タイプ、そう何回もルリの攻撃は防げない! 『アクアテール』!」
「ククク……博識だな。じゃあこれも知ってるか?シロデスナの特性の効果は既に発動している」
水によって大きく膨れ上がった尾をぶつけるマリルリに対し、シロデスナがもう一度城壁を固める。だがさっき散らせたばかりでは集められる砂は少ない。小さくなった城壁を尻尾でが叩きつける……しかし破壊できなかった。逆にマリルリの体の方が弾き返される。
「シロデスナの特性は『水固め』。こいつが水タイプの技を受けた時、防御力を大幅に上昇させる」
「くっ……だったらルリ、『ハイドロポンプ』!!」
「かかったな。やれダダリン!」
「ミラ、『シャドークロー』で逸らして!」
マリルリがぷくりと体を膨らませて大量の水を放とうとする溜めに出来た隙に、ダダリンの錨の部分がまっすぐ伸びていく。その錨をヤミラミが漆黒の爪で横から切り裂こうとした。勢いこそ止まらなかったが錨の軽く傷がつき、狙っていた方向が逸れた。
「これで邪魔はさせないわ」
「果たしてそうかなぁ!?」
錨の狙いは逸れ、マリルリの真横を通過する。だがそこからぐるりと回転すると錨に着いた海藻と鎖が、ぐるぐるとマリルリに巻き付いた。大量の水が放たれるが、錨によって分散させられほとんど
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ