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吸血姫はアホ可愛い!・ω・`)
9話「ロリと寝てしまったが、俺はロリコンではないH-飯テロ-」
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オムレツがトマトの紅い海の上に浮かんだ……。これが白真珠流のオムレツというやつなのだろうか……?
使った卵が人間の頭ほどのサイズがあって、卵の黄味と白味が大量に余ったから、彼女は続いて巨大な目玉焼きをフライパンで作る。その卵焼きは巨人の目としか思えないほどに巨大で、分厚く、とっても重厚感があった。
つまり……俺の食卓に、トマトケチャップの海に浮かんだオムレツと、塩で味付けした目玉焼き……見事なまでの親子丼ならぬ、親子オムレツがそこに鎮座していた訳である。
自然界の栄養を可能な限り詰めたような卵の生地が、俺の食欲をそそる。
それらの料理を並び終えた白真珠は、両手を盛大に広げて自慢気に胸を反らした。

「お師様ー!僕の愛妻料理の出来上がりですー!」

「いやいや!?夫婦じゃないから!」

「え、夫婦?でも、仲の良い男女が作る料理って、愛妻料理っていう言葉を使うんじゃ……?
喫茶店で働いていた時『お帰りなさい旦那様』とか『美味しくなーれ美味しくなーれ』って言わせられながらオムレツ作ってましたよ?」

……うむむ、日本では児童労働が盛んという事なのだろうか?
若い男性がほぼ全部、徴兵されて居なくなった分、小さい女の子が労働者不足を補っているのかもしれない。
そんな日本の未来に、暗雲を感じた俺は気分を切り替える事にした。

「料理が冷めるから……さっさと食べような」

「はーい。あ、スープも作ったから飲んでくださいね」

部屋の白いテーブルには、卵焼き、オムレツ、謎の薄い黄色のスープ。
この三つがずらりっと並んだ。
俺はもう……笑顔になるしかない。この料理の数々は俺の人徳の良さ故に作られた代物なのだ。
これで白真珠の年齢がロリじゃなかったら……恋人になって欲しいくらいなのだが、まぁ、現実は思うように進まないから仕方ないのだろう。

「うむ、それでは美味しく頂こう」

俺はステンレス製のスプーンを持ち、オムレツの端を千切り、口の中へと軽やかに放り込んだ。
ゆっくり味わうために目を瞑り、視覚を封じて味覚に感覚を集中させる。
……まるで雲を食べたような口触り、プルップルッとした卵の食感と、ジューシーな鳥肉の二つが混ざり合い、味の交響曲を奏でている。
完熟トマトを使った甘いトマトケチャップのおかげで、とても風味深い味わいになっていた。
卵は一部は半熟で、口の中でとろりーっと流れ落ち、卵の別の顔を味で表現してくれる。
これを美味しいとか、美味いとか、そんな雑多な言葉で表現したくない。
だがあえて言うならば――

「お師様?どうです?美味しいですか?」

「……しゅごく、おいひい」

「まぁ、それは良かったです!それじゃ僕も食べよう!トマトケチャップどっさり使ったオムレツとか最高ですよね!きっと、この
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