第五章
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「遊んでるな」
「この子とね」
「ニャーーーー」
気付けばライゾウは林蔵の足元から二人が今食べているテーブルの上に来た、そのうえで我がもの顔で歩き回っている。
そして郁美のところに来てだ、顔を寄せてきた。
そのライゾウを見てだ、郁美は笑って夫に言った。
「遊んでるわね」
「あいつが一番な」
「悪い子だけれど」
郁美は自分の顔を、鼻を寄せてきているライゾウを見つつさらに話した。
「邪気がなくて愛嬌があるから」
「あいつも好きなんだな」
「そうよね」
「本当にこんな悪い奴ははじめてだ」
林蔵はここでもこう言った。
「けれどな」
「それでもよね」
「ああ、大切な家族だ」
「血はつながっていないけれど」
だがそれでもというのだ。
「ライゾウは私達の子供の一人ね」
「いないと寂しくて仕方ない」
「そんな子ね」
こう二人で話すのだった、食事を摂りつつ当のライゾウを見ながら。ライゾウはテーブルの上で寝転がりだした。リンゾウはその彼に手をやり食べ続けつつ撫でた。
また清が来た、そして。
ライゾウが自分の足のところに来て身体を何度も何度も擦り付けて来るのを見てだ、林蔵と郁美に言った。
「ライゾウがまとわりついて」
「大変か?」
「ちょっとね」
少し困った笑顔で言うのだった。
「これじゃあ動けないよ」
「少し我慢しろ」
「我慢したらなんだ」
「飽きて離れるからな」
「飽きるんだ」
「猫は飽きっぽいからな」
だからだというのだ。
「それまでそうされてろ」
「それじゃあそれから」
「ライゾウと遊ぶか?」
「その後でワラビのお散歩一緒に行っていい?」
自分のところに来た祖父に言った、清は家の玄関にいるが彼の両親と兄弟達は郁美のところに向かってもう玄関にはいない。
「そうしていい?」
「ああ、夕方になったらな」
「それまでライゾウかワラビと遊んでるね」
「そうしろ、ただライゾウには気をつけろよ」
「噛んだり引っ掻いたりしてくるから」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「そこは注意しろよ」
「それじゃあね」
ここでだ、清は。
ライゾウの動きが止まった一瞬を見計らってその身体を持った、そしてその顔を祖父に見せながら言った。
「暫くライゾウと遊ぶね」
「ああ、ただライゾウはあまり持つな」
「どうしてなの?」
「持たれるのが嫌いなんだ」
ライゾウはというのだ。
「触られたりな」
「だから触ったらすぐに噛んだり引っ掻いたりしてくるんだ」
「そうだ」
まさにその通りという返事だった。
「だからな」
「あまりこうして持ったりしないで」
「そうして一緒に遊べ、いいな」
「うん、わかったよ」
ライゾウを下に置いてから祖父に答え
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