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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
24部分:第二十話 由紀江の恩返し
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んだ。俺達は『何が?』と、黛さんを見る。


「……その空気が、凄く、いいですっ……あの、あの……あぅ……」

「まゆっちGO!ここは天下分け目だぜ!」

「うん、石田三成みたいな気分で行くね」


なんで負ける側?てか、腹話術か?


「この一年生大丈夫?1人でブツブツ言ってるよ」

「いつもの事ではある」

「マジマジ見ると面白いな。しばらく観察しようぜ」


キャップがそう言うのでとりあえず観察する。


「ああ、なんか小さい動物を見てる気分だ。めんこいかつ、それをこうムチャクチャにしたい」

「危険だなぁ」

「他人事を。お前にもそう思う事あるぞー弟よー」

「恐ろしい事を言われてしまった」


頑張れ大和……


「……すぅーはー……よし、言います……お願いします!!!」


いきなり黛さんは頭を下げた。あまりに突然だから、俺達は驚いてしまった。


「私も、皆さんの仲間にいれてくださいっ!!皆さんと一緒に遊びたいんです!あの、私、ずっと友達いなくて……それで……それで……今度こそ友達をって思ってこっちに出てきて……それでも作れなくて……そこで、皆さんが楽しそうにされていて……私も、仲間に入れたらどんなに楽しいだろうって……だからお願いします、仲間に入れてください!私、食事作れます!掃除も自信あります!体力も人並にはあります!だから……だか……ら……私を……仲間に入れてはくださいませんかっ!!!」


黛さんこと、黛由紀江は一気にまくし立てた。不器用だけど思いは伝わった。目の輝きは真剣そのものだ。皆が顔を合わせて視線で会議する。


(どうするの?)

(入れてやれば?こんなに頼んでるし)

(私は反対。これじゃ際限なく人が増える)

(とりあえずここは俺に任せてくれ)


というわけでキャップに委ねることにした。


「黛由紀江さんだったっけ」

「は……はい!」

「今のままじゃ、仲間には入れられない」

「……あ」

「仲間ってのは基本的に対等なもんだろ?土下座みたいな真似して、何でもするから入れて!とかでも入るもんじゃないよな。普通に“面白そうだから私もいれて”で、いいぜ」

「あ……!お、面白そうだから私も入れてください!」

「断る」

「はぁぁぁうっ!?ばたり」


バッサリと断った黛さんはそのまま倒れてしまった。


「鬼かアンタは!」

「ハハハ冗談だよ。冗談。これかr」


ガシッ


突如、キャップは顔を悠里の手で掴まれる。


「ゆ、悠里……?この手は一体……」

「言っていい冗談と……」

メキメキメキ!

「悪い冗談があるだろうがボ
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