第二章
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「書かれてないな」
「へえ、そうなのか」
「ホモはいいのか」
「校則には書いてないか」
「そうなんだな」
「ああ、そうだ」
間違いなく、というのだ。
「何なら校則読んでみろ」
「隅から隅までか」
「実際にか」
「そうして読んでか」
「確かめてみろっていうのか」
「ああ、読んだらな」
それこそというのだ。
「書いてないからな」
「よし、じゃあ読んでみるか」
「早速な」
「俺達もそうしてみるか」
「実際にどうなのか」
他の生徒達もだ、彼の言葉を受けてだ。
そのうえで校則を隅から隅まで読んだ、すると本当にだった。
「あれっ、本当にそうだな」
「不純同性交遊禁止とか書かれてないな」
「というか同性愛禁止ってな」
「一切書かれてないな」
「うち男子校なのにな」
それでもというのだ。
「全然書かれてないな」
「こっちには考えが及ばなかったのか?」
「おいおい、うちは創設以来の男子校だぞ」
このことから言われるのだった。
「それだったらこうしたことはな」
「最初から考えてるか?」
「男子校だったらこうした話有り得るしな」
「まあ俺達はそうした趣味はないけれどな」
「共学でもあるしな」
「有り得る話だからな」
同性愛の話はというのだ、そしてだった。
彼等は何はともあれ校則のこのことを知った、このことは忽ちのうちに校内で話題になり生徒会長の稲葉進次郎もだ。
黒髪をワイルドな感じでまとめた細く鋭い目を持つ顔でだ、生徒会の面々に言った。
「僕も読んだが」
「はい、実際にですね」
「校則には書かれていませんね」
「我々も校則をチェックしましたが」
「実際に書かれていません」
「そちらのことは」
「異性との交遊のことは書かれている」
実際にとだ、稲葉は言った。
「それも細かくな」
「しかし、です」
「同性愛については書かれていません」
「それも全く」
「我が校は男子校ですが」
「それでも」
「考えてみれば不思議だ」
こう生徒会の面々に言う。
「このことはな」
「全くですね」
「このことは」
「はい、非常にですね」
「このことはですね」
「妙ですね」
「男子校の我が校としては」
「このことは」
「どういうことだ」
腕を組んでだ、稲葉は言った。
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