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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
21部分:第十七話 学園生活
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と……おい待て、
「オイコラ、ワン子」
ガシッ
「ひぃ!?」
俺はワン子の頭を片手で掴む。掴まれたワン子はブルッ!と体を震わせた。
「お前……宿題やってないってどういうことだ……?あれほどやっとけと言っただろ……?」
「ごごごゴメンナサイ!鍛錬夢中になって忘れちゃって!」
「言い訳になるかこのアホー!!」
「いだだだだだ!?」
俺はそのままアイアンクローで締め付ける。三十秒程したらワン子を解放した。
「ほら、俺の貸してやる。次間違えたらさらに強くするからな」
「はぃ〜……」
「結局貸すんだね、兄さん……」
「だから悠里って好き」
「お友達で。……まあ、いつものことだ」
川神一子。旧姓、岡本一子は俺が京都から戻ってすぐ、一子を育ててくれた岡本のばあちゃんが亡くなった。その後、親戚に送られる筈だった一子だが、モモの両親が養子に取ることを承諾して、めでたく川神一子となった。
「じゃあ、今度から悠里はお兄様って呼ぶわ!」
「ブッ!?」
この発言に俺は飲んでたお茶を吹き出してしまった。その後、どうにかして今まで通りの呼び方にしたが……
「そういえば兄さん、九鬼のやつが呼んでたよ」
「英雄が?わかった、サンキュー」
授業が近いので後で行くとしよう。教師が入ってきて、一限目が始まる。
一限目が終わると、俺はSクラスへと足を運んだ。
Sクラス。
いわゆる特進クラスで、エリート集団の集まり。入る条件に学年の成績中トップ50に入らなければいけない。そんなエリートクラスの前に来て、扉が開いた。
「おお、悠里じゃねぇの」
「よっ、英雄いるか?」
「ちょっと待ってろ。英雄ー、悠里が用事だぞー」
俺はクラスに入ろうとするが、中の数人はこちらを睨んできた。
このクラスの半数は他のクラスの連中はエリート意識、つまりは選民思考に染まっている。
ま、どうでもいいですけど。
「2-Fの山猿が此方達になんの用じゃ?」
「九鬼で作ったバイクの走行データの提出だよ」
「ようは小間使いじゃの。平民にはお似合「わ〜い、悠里だ〜!」」
着物を着た少女の言葉を遮って抱きついてきたのはユキこと榊原小雪。あのあとから偶にだがこっちに顔を出して遊ぶようになった。
ちなみに着物の方は不死川心。名家、不死川の生まれで性格は言わずもがな。
「こりゃ小雪!此方が話しておる時に……」
「フハハハ!九鬼英雄!降臨である!」
不死川が小雪とコントを演じていると、英雄が現れる。
九鬼英雄、名前の通り父のかつて働いていた九鬼財閥の長男にして揚羽さんの弟。京都の一件の後
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