暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第41話「束襲来」
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
や他の人の方が優れている。
 だが、練度で言えば秋十の右に出る者はいないのだ。

「...今日はやけに人と話すな。束。」

「...あの、ちーちゃん?それだと普段束さんは人と話していないコミュ障みたいに...。」

「事実だろ。」

「さー君!?」

 否定したい所を桜に肯定されて束はショックを受ける。
 その光景を見て、ますます一夏は困惑と怒りを募らせる。

「(全部...!全部こいつのせいか...!くそが!“原作”をとことん変えやがって!)」

 根も葉もないただの誤解である。
 しかし、自分こそが正しいと思っている一夏は、さらに勘違いを加速させる。

「(...まぁ、いい。とりあえず、俺も束さんに見てもらうか。)」

 未だに束と親しい仲だと思い込んでいる一夏は、自分のISも見てもらおうとする。
 ちなみに、白式のコア人格である白は今は白式に戻っている。

「...束さん、俺のも見て――」

「....白式は未だに“火”だけかぁ...。しかもその“火”も零落白夜の恩恵だし。燃費も悪いしこの子に悪いなぁ。」

 しかし、一夏の声を束は無視して勝手に白式を見る。

「あ、あの、束さん...?」

「........。」

「っ....!?」

 無視する束に再び呼びかけようとして、一夏は怯む。
 ...一夏に対する束の目が、あまりにも冷たかったからだ。

「え、えっと俺...束さんに何か悪い事しました...?」

「....さぁ、どうだろうねー。束さんは何をやったかなんていちいち気にしないし。」

 白式を見終わったのか、束は桜のいる方へ戻る。
 その際、一夏とすれ違う時に束は一言呟いた。

「...自分がやった事、お咎めなしとでも思ってるの?」

「っ、ぁ....!?」

 その言葉を聞いた一夏は顔を真っ青にする。
 そんな表情が見れて嬉しいのか、束はクスクス笑っていた。

「何言ったんだ?」

「んー?秘密だよっ!」

 さっきまでの雰囲気はなんだったのかと言わんばかりに、桜と笑顔で会話する束。

「(...容赦ないな、束さん。桜さんも地味に嗤ってたし...。いや、だからと言って許す程、俺はお人好しではないけどさ。)」

 明らかに敵視している二人を、秋十は黙って見つめていた。

「...さて、束。用件が済んだのなら早く帰ってもらおう。ここは一応IS学園が貸切っている。関係者ではないお前がいつまでもいていい場所ではない。」

「えー?そんな事言わないでよちーちゃん。」

「ダメだ。」

 食い下がろうとする束に対し、千冬はばっさり切り捨てる。

「もー、ちーちゃんのケチ!別にいいもん!どうせ、多分私の力が必要にな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ