暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第41話「束襲来」
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“翼”なんだから、大空に羽ばたけるようにしたいじゃん?」

「っ...それはそうだが...。」

「大丈夫大丈夫。束さんお手製って銘打っておけば、世間には第四世代辺りでも納得するよ。」

 それでも十分である。
 当の箒は“やっぱり貰うのは危険だろうか”と真剣に悩む程だった。

「...はぁ、仕方ない。篠ノ之、そういう事だ。納得してやれ。」

「は、はい....。」

 千冬は説得を諦め、箒は既に疲れていた。

「それじゃあ箒ちゃん。今からフッティングとパーソナライズを始めよっか!」

「.......。」

 束の言葉に、無言で紅椿に乗り込む箒。
 やはり姉が直々に作った専用機だからか、触れるのに少し緊張しているようだ。

「さー君手伝ってー。40秒で終わらせるよ。」

「俺もか。まぁ、いいけどさ。」

「は!?えっ!?」

 束はセッティングなどを行うための端末をもう一つ取り出し、それを桜に投げ渡す。
 さも当然のように桜も了承して、二人掛かりでデータ入力を済ませていく。
 あっさりと束レベルのスピードで始める桜に、一夏が今更ながら驚く。

「は、早っ!?」

「箒ちゃんのデータはある程度先行入力してあるからね〜。最新のデータに更新するだけなら...。」

「一分もかからない...ってな。」

 桜がそう言い終わると同時に、データ入力が終了する。

「じゃあ、箒ちゃん。試運転としてちょっと飛んでみて。」

「...わかりました。」

 静かに、しかし相当なスピードで空へと飛びあがる紅椿。

「速い...。あれで第二世代相当...?」

「紅椿は速く動けるようにしてあるからねー。搦め手が苦手な箒ちゃんには、シンプルな強さがちょうどいいんだよ。」

 試運転のデータを収集しながら、鈴の呟きに答える束。
 それからしばらく試運転し、箒がISから降りる。

「うん。これなら少し慣らしていけばそう長くない内にリミッターが一つ解除されるかな。」

 収集したデータを見ながら、束は満足そうに頷いた。

「んー、ちょっと時間もあるし...。そうだ!皆のも少し見てあげよう!」

「え、皆の...って、篠ノ之博士が自ら!?」

「そうだよー?それ以外になにがあるってのさー。」

 ISを創った張本人に機体を見てもらえる。
 それがどれほど凄い事なのか、当の束が一番理解していなかった。
 ...正しくは、理解した上で“どうでもいい”と断じただけだが。

「じゃあまずはせっちゃんのだねー。」

「せ、せっちゃん...やっぱりその呼び方ですのね...。」

 苦笑いしながら、セシリアはブルー・ティアーズを展開して見せる。

「ふむふむ.
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