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ep.037 彼女には刺がある
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うとしない。
それは鈴菜の勝利を信じているからだ。
すると、もう一歩も動けないはずの鈴菜がジリジリと向かってくる。
その執念のようなものからは恐怖すら感じる。
「はぁ....はぁ....アナタは....私を甘く見過ぎです。」
宗嗣はこの得体の知れない漠然とした恐怖から離れようとしつつも体が動かなかった。
まるで重力に押さえつけられてるのかのようだ。
「人の死を....軽視したアナタのその行いは......同じ人として見過ごせません。」
気力で意識が元通りになっていく。
霞んでいた視界は固定され、足に地を踏みしめる力が戻ってくる。
そして、宗嗣の目の前に辿り着いた。
「アナタには何発も拳はいりません....一撃で勝負を決めさせて頂きます。」
鈴菜は軽く拳を構えて宗嗣の腹部にそれを当てた。
そして鈴菜は宗嗣から立ち退いた。
宗嗣は気を失った。
「無力撃・終の型。」
鋭く研ぎ澄ました気に近いものを相手にぶつけてあたかも瀕死の一撃を受けたかのように脳に知らせる。
脳は体のダメージと体感ダメージの差で混乱を起こし、情報処理が追い付かず気を失う。
この業は悠持や操作もできない。
他者を物理的に傷付けない彼女が編み出した完全オリジナルの業である。
鈴菜はそのまま操作の元に戻った。
操作は能力で宗嗣に奪われた血液や出血した分を回収し、鈴菜に再度投入した。
同時に傷口を止血し、体力を回復させた。
「はぁ...はぁ....操作様...ありがとうござ....。」
鈴菜の口を操作が手で押さえる。
これ以上、無駄に体力を使わせてはいけない。
「箱部さんは頑張ったんだ。 少し休んでて。」
操作の能力で少しずつ眠気を感じ瞼が重くなる。
視界には穏やかな表情で見守る操作がいた。
そして鈴菜の瞼が完全に閉じると、そのまま彼女を抱きかかえて操作はあとのメンバーを追い掛けた。
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