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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
19部分:番外編 ハッピー・バースディ
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いうのも魅力的なんだろう。
本当はもっと早くの筈だったけど、どうせなら会っておきたかったから、燕ちゃんが家にいる今日にした。


「でも、私聞いてなかったよー」

「ゴメン。久信さんに黙ってるように言われてて……」

「む〜……」


と言って燕ちゃんは頬を膨らませた。予想してたけどね。


「……いいか。あとでおとんにはお仕置きだけど」


お仕置きて……


「何か食べようか?」

「あ、それなら準備してたから、ちょっと待ってて」


俺は台所に行くと皿を運んできた。皿には大きなステーキが乗っている。


「……これ、どこで買ってきたの?」

「川神院の冷蔵庫から拝借してきたよ。どうせ肉なら腐るほどあるから」


この言葉は嘘じゃない。川神院は寺院が肉が主食の変わった寺院だ。だから様々な肉が保存してあるわけで、その中から一つ貰ってきた。鉄爺にはちゃんと断ったから問題ない。その他にも野菜サラダとミネストローネ、パセリライスを盛ってテーブルに運んだ。


「これ……悠里くんが作ったの?」

「うん。……あ、材料は途中で買ってきたやつだから、心配ないよ」

「すごいね悠里くん……」

「ありがとう。……とりあえず食べようか、冷めちゃうし」


そう言って俺と燕ちゃんは食べ始めた。料理の方は好評だったみたいで喜んでくれていた。
夕食が食べ終えると、俺と燕ちゃんはお茶を飲みながらくつろいでいた。


「う〜ん……美味しかった〜」

「喜んでくれて何より」

「ありがとうね悠里くん」

「実はまだあるんだけどね……」


俺は少し意地悪そうな顔をして台所に行くと、冷蔵庫を開く。中からケーキの箱を取り出すと、テーブルに持って行って箱を開ける。中には丸太をイメージしたロールケーキが入っていた。


「これって……ブッシュ・ド・ノエル?」


ブッシュ・ド・ノエル。フランス語で『クリスマスの樹』。文字通りフランスではクリスマスに食べられる品物だが、一般家庭でも比較的簡単に作ることの出来るケーキだ。


「時間無かったから、そんなに手の込んだ物できなかったけどね。とりあえず、召し上がれ」

「いただきま〜す。あ、その前に写真撮っておこう」


燕ちゃんは携帯で写メを撮る。あとでブログに載せるらしい。その後、俺はケーキを切り分けて燕ちゃんに渡した。燕ちゃんはケーキを食べると


「おいしい……しかも可愛い……!」

「どうかした?」

「なんだろう……嬉しいし、美味しいのに……女の子としては負けた気がする……」

「……なんでさ?」


夕食なんて肉焼いたりしただけだよ?そんなに気にする事じゃないと思うけど……
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