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暁ラブライブ!アンソロジー〜ご注文は愛の重たい女の子ですか?〜
狂気の部屋 【頭文字F】
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で聞いたことがある。
...俺もその1人なのか、鞠莉が部屋に入ってきた時、密かに "綺麗だ" "可愛い" と正に時を弁えていない言葉ばかりが頭に浮かんでいた。
時...と言うよりかは状況か。
「フィアンセになったつもりはないけど...いやそれよりもこれ!外してくれ!!誰かに縛り付けられたんだよ!!!」
そんな状況を打破すべく、彼女に解くよう要求する。
...これでやっと、自由に手を動かし、自由に動き回れる。
...と、思っていたのだが。
「...ふふっ...ダーメ♪」
「...は...?」
...彼女の言葉は俺の内に湧き出た希望を押し退けた。
何故解いてくれない?そんな疑問に答えるかのように彼女は。
「...だってアナタ、逃げちゃうでしょ?せっかく捕まえたのに意味がなくなっちゃうわ♪」
光を失った目と共に、俺へと信じ難い言葉を告げた。
"せっかく捕まえた" 。 確かに彼女はそう言った。ということは、彼女が俺を拘束したことになる。
...訳が分からない。
何故解かない?という疑問から、何故俺を捕まえた?という疑問まで、様々な謎が俺の頭を駆け抜ける。
取り敢えず、質問を一つ、掻い摘むことにした。
「なぁ、鞠莉...」
「?なにかな〜?」
「...なんで俺を捕まえた?」
「ワーオ!良い質問ね!!」
質問の内容を聞いた途端、笑顔を見せる鞠莉。
なんの変哲もない、いつもの可愛らしい、活発な笑顔。...だが、この笑顔に裏があると思うと、恐ろしい気持ちで満たされてしまう。
...そんな笑顔で。
「...あなたと2人きりになりたかったから♪」
「...」
...そんな回答を。
間違いない、これは典型的な "ヤンデレ" というヤツだ。
一体何故?次はその疑問が頭をよぎる。
...が、それを見越していたのか話し続ける。
「だってアナタ、すぐ他の女の子とオハナシするんだもん。...マリーがいるのにね?」
「...俺は基本的にAqoursの皆としか話してないぞ?千歌とか曜は俺の幼馴染だしな。」
「...それがイヤなの。」
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