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暁ラブライブ!アンソロジー〜ご注文は愛の重たい女の子ですか?〜
私は全てを知ってるの 【シベリア香川】
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じてるから……ね」




真姫は拳を握りしめて眠っている青年の寝顔を見つめた。







「ん……痛い……」

「目が覚めたみたいね、大丈夫?」

青年が唸ってから頭を押さえて呟くと、真姫は優しく語りかけた。

そして青年は真姫の方に顔を向けた。

それから青年は息を吐くように声を出した。










「真姫……"ちゃん"……?」







「っ……!」

真姫は青年の呼び方に変化があり、目を大きく見開いた。

「ん、真姫ちゃんどうかしたの?」

「う、ううん……なんでもないわ。それより、何があったか覚えてる?」

「何が……あったか?」

青年は真姫にそう問われて周りを見回してここが病室だと気が付き、何があったのかを思い出そうと考え込んだ。真姫は少し暑かったので立ち上がって窓を開けた。

「あ、そうだ……」

そして青年は思い出したのか、はっとした表情をした。

「確か……」

「そう……」

「僕は花陽ちゃんに呼び出されて……」

「そう……!」

「そこに向かう途中で……」

「そう……!!」

「事故にあった……!」

「そうよ!思い出した?」

「うん、そうだった!」

「ふふっ、よかった……」

真姫はまた椅子に座って嬉しそうな声をあげた。

「あれ、真姫ちゃん……」

「なに、どうかしたの?」

そして記憶を取り戻した青年は、近くに来た真姫を見て不思議そうな表情を浮かべた。













「真姫ちゃんの目って……そんなに色濃かった(・・・・・)っけ?」

青年が不思議に思った点、それは真姫の"目の色"であった。

確かに少し薄めの紫色であった真姫の目は、色が濃くなっていたのだ。

「何言ってるの?気の所為よ」

真姫は笑ってそれを誤魔化した。だが、この青年は騙せない。

「え、でも……」










そのときだった。青年はチクリと何かが首に刺さる感触を感じた。




「ま、真姫ちゃんなに……をっ……!?」




そしてその感触の正体を持っている真姫に、首を手で押さえながら苦しそうにゆっくりと顔を向けた。




「大丈夫よ。今は苦しいけど、すぐに楽になれるわ……」




真姫が持っていたものは……"液体"が入っている注射器であった。




「真姫ちゃん……カッ!クァッ……ガァッ……!」




青年はバタバタと苦しそうな声をあげていたが、その声は息苦しいせいか掠れていた。だが、ベッドサイドモニターがしめしてい
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