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暁ラブライブ!アンソロジー〜ご注文は愛の重たい女の子ですか?〜
私は全てを知ってるの 【シベリア香川】
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姫が伝えると、2人は今まで通りカップルとして今日まで過ごし、冒頭に戻る。




「真姫がいなかったらどうなってたかわからないな」

「ふふっ、感謝しなさいよね」

「………………」

それから青年は窓の外を眺めて、青空の下で散っていく桜の花びらをボーッと見つめた。真姫はそんな青年を見てから一旦病室を出た。

青年はひらひらと地に舞い降りる桜の花びらを見つめ続けていた。そして、一枚の花びらが風で空に飛ばされていった時、青年を激しい頭痛が襲った。

「うっ……ぁぁ……くっ……!」

青年は頭を抱え、明らか苦しそうな声をあげた。心拍数も平常より早くなり、ベッドサイドモニターもそれをしめして音をたてていた。

その声に気付いた病室を通りかかった看護師は慌てて病室に駆け込んだ。そしてナースコールを押して応援を呼ぶと、青年の専属医がすぐにやってきた。真姫も青年の病室が騒がしいことに気が付いて駆け込んだ。

「一体どうしたのよ!?」

「真姫お嬢様……おそらく、記憶が戻りつつあるのかと」

「記憶、が……?」

「はい。これはそれによる頭痛かと」

「そうなのね……」

「真姫……お嬢様?」

医師は真姫を見て嬉しそうに笑みを浮かべて言ったが、真姫の表情を見て少し首を傾げた。

「よかった……」

だが、真姫が安堵したのか一滴の涙を流すと、医師は先程の表情は気の所為だったのだろうとまた笑みを浮かべた。

そして頭痛が治まってきたのか、だんだんと青年は苦しまなくなって眠りについていった。

「もうこれで安心ですね。心拍数も落ち着いてきてます」

「そうか……」

看護師と医師は青年を見て安堵の表情を浮かべた。

「もう、大丈夫なの?」

「はい。あとは目を覚ますのを待つだけですね」

「そう……」

「では、また何かあったら呼んでください」

医師と看護師は真姫に一礼して病室を去った。

そして医師は歩きながらあることを思っていた。




(そうだ、真姫お嬢様があんな表情するはずがない。あの子は真姫お嬢様の彼氏なんだ……だから真姫お嬢様があんな表情なんてするはずがないんだ。



















あんな、"計算外だと思っているような表情"なんかするはずがない……)



















「ねぇ、大丈夫?」




真姫は眠っている青年に語りかける。




「ねぇ、忘れない(・・・・)……わよね?」




真姫はさらに眠っている青年に語りかける。




「絶対……忘れるはずがないわよね?私、信
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