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暁ラブライブ!アンソロジー〜ご注文は愛の重たい女の子ですか?〜
黒澤流二段蹴り 【透】
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ことなく生きていくことを余儀なくされた。

 あの子は、妾の子。望まれない子として、幼い頃から虐げられて暮らしてきた。

 今まで何度もルビィとダイヤの両親に直談判をしようとしてきた。しかしそのたびに使用人たちに殴られ、揉み消された。それほどまでに黒澤家の力は強い。この内浦の中の事件なら、軽く揉み消せるくらいに。

 結果的に、全部無駄だった。

 俺の力では、どうすることもできなかった。

 幼い頃に、まだダイヤと一緒に外で遊んでいたルビィに出会い、やがて忌み子であることを知らされ、それでも俺はルビィと一緒にいることをやめなかった。

 あの子に罪はないんだ。

 忌み子だから何だ。髪が赤いから何だ。俺たちと何も変わらない……変わらないんだ……

「俺がルビィのそばにいてやらねえと……」

 小原たちから離れて、自らに言い聞かせるように呟く。

 もう少しで黒澤家に着くと言うところで、ポケットの携帯電話が震えているのに気づいた。電話だ。

 相手は、ダイヤだった。

 数秒考えてから通話ボタンを押し、耳元に携帯電話を当てる。

「何の用だ?」

「ルビィのことです」

「まあそうだろうなと思ったよ。で?手短に済ませてくれよ」

「ルビィはもう……あなた以外の人間とまともに話すことができません。このままあなたがルビィと会い続けていると、あの子は完全にあなたに依存したままになってしまうのです」

「だから俺に会うなって言いたいのか?」

「そうは言ってません。わたくしもルビィの願いなら可能な限り叶えてあげたいのです。しかし……いつかわたくしが当主になってルビィをあそこから出してあげられた時に、きっとあの子はまともな状態ではありません…だから????」

「うるせえっ!!そんなことありえねえだろうがっ!」

 俺は続ける。

「無理だ……!黒澤家がどんだけやばいのか……俺だって知ってるつもりだよ……!おまえの親は死ぬまであの子に陽の光を見せるつもりなんてない……さらにおまえがルビィのことを想っているのも知ってるだろうから、おまえが当主になってもその方針だけは親戚たちに手を回させたりしてなんとしても阻止するはずだ」

「では……どうすれば……」

「無理だよ……あの子はもう……」

 とっくに、限界は来ていたんだ。

「だから少しでも俺がそばにいてやるんだよ!俺が……あの子のそばに……!」

「なら、約束してくださいますか?」

「何をだ?」

「あなたは……変わらないでください。どうか……そのままで……」

「当然だよ。誓ってもいい」

「なら……もし約束を破った時は、わたくしの言うことを一つ、聞いてください」

「言うこと?」

「た
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