序章
序章 出会いと別れ 1
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少女がバケモノに追われていた時から遡り――
女神歴:625年 食料不足問題時代
食料不足問題時代。
ここのところずっと天気が悪く農作物が思うように取れず餓死してしまう者が増えた時代。
そして原因不明 謎の不治の病が流行り出した時代でもある。
謎の流行病。
何処からともなく飛んできて免疫力のない年寄や子供によく発病すると言われている病気だ。
かかってしまったら最後 直す方法はこの世界のどこにも存在しない。
ただ静かに死を待つだけである。 よってこの病は別名゛闇病”とも呼ばれている。
「けほっけほっ」
「ヨナ!?大丈夫?」
「うん……ちょっと咳が……でただけ…」
「そ、そう?でも無理しちゃ駄目だよ?」
「うん…」
このヨナと呼ばれた齢八の少女またその不治の病に侵されているのである。
病弱な妹を救うべくまだ齢十八少年ルシアはたった一人で危険な場所を出入りし生計をたてている。
彼らはたった二人だけで生活をしているのだ。彼らに両親などいない。
…彼からまだ幼い頃に乳母の二人とも亡くなったからだ。
「じゃあ、行ってくるよ」
「ヨナも一緒にいっちゃ……だめ?」
「今日は狩りをする事になることになると思うから、やめておいたほうがいいな」
「……うん」
「帰りに、ヨナが好きそうな本を借りてきてあげるから」
「…うん。待ってる」
「じゃ、行ってくるよ」
ルシアはそう言い終わると笑顔で手を振り部屋を出て行った。出て行くルシアの背中を一人残されたヨナは心配そうに見つめてるのだった。
それからほんの少し時が流れる。
ルシアは森でイノシシ狩りを終えヨナのいるわが家へ帰ろうとしたところから話は再開する。
「ふぅ、今日は結構狩れたな。これだけあれば、ヨナの好きなメロンが買えるかな」
イノシシの死体を眺めながらルシアは嬉し気に笑みを浮かべ そしてまた悲し気な表情を…。
ヨナが喜ぶのはいいことだと思う。 でも反面なんの罪もないイノシシが死ぬのはかわいそうだとも思う。
妹思いで動物たちにも優しいルシアなのであった。
日が沈むまであと数時間。暗くなる前に帰るためイノシシを抱え帰り道を最中に゛ソレ”は起こった―
「え?あれはヨナ?」
一瞬幻覚を見たかのように思えた。
まるで紙に投影された映像のように おぼろげで一瞬の出来事。
パジャマ姿のまま 裸足でフラフラと歩きながら何処かへ向かうヨナの姿が見えたような気がしたのだ。
ルシアは目をこすり 改めて目を見開いて もう一度ヨナが見えた方向を目を凝らして見てみる。
するとやはりヨナだ。パジャマ姿のままフラフラ歩くヨナだった。
「ヨ
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