暁 〜小説投稿サイト〜
KANON 終わらない悪夢
33秋子さんの初体験
[7/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 感激し、泣きながら抱き合う二人は、キスをしようとしたが、自分の濃厚な精液の匂いがして、頬ずりで我慢した。やがてどちらが言うともなく上下から腰を動かして、次第に強く、激しく交わりだし、両手も強く握り合う「恋人繋ぎ」になって行った。
「ああっ、でも俺って、自分の母親の妹と、叔母さんとこんな事してるんですよね?」
 興奮度を高めようとしたのか、落ち着いて世間体を気にしたのか、戸籍上の問題を言い出す祐一。
「言わないで下さい、それに血は繋がってませんから大丈夫なんです」
「でも、戸籍ってそのままなんでしょう? 子供ができたら父親の欄に甥っておかしいですよね? 俺たち、結婚出来ないんですよね?」
 香里の魔の手から逃れるためなのか、結婚の二文字を出し、さらに激しく交わろうとする祐一。秋子もその言葉を聞いて身を固くし、決して結ばれる事のない自分達の状況を呪う。
「また、手続きに詳しい家に調整してもらいます、空白でも、祐一さんでも構いません」
「でも、近所の人には誰が父親って説明するんですか?」
「……ああっ、正直に言ってしまいたい。愛しあった人と結ばれた結果だと、愛の結晶がお腹の中にいるんだって周りの人達にも伝えて祝福されたい」
 秋子も禁断の愛に溺れて涙を流し、次第に悲劇のヒロインとして振る舞うようになっていった。
「でも、祐一さんには、子供の頃に決めた婚約者もいるんです。私とは結ばれない、結婚はできないんですっ」
 顔を背け、苦渋の涙を流す秋子は、もうすっかり昼メロの主人公になっていた。
「婚約者って誰ですか? 栞ですか? やっぱり名雪?」
「違うんです、妖狐の家系で、昔、祐一さんと約束した家があるんです」
「教えてください、誰なんですか?」
「いえ、今はまだ…… 祐一さんが昔の出来事を思い出して、時が来ればお教えします。でも、でも今だけは私、相沢秋子なんですっ、お願いっ、お願いしますっ」
 泣き崩れる秋子の状態を察し、それ以上追求は止めて、今日は目の前の初恋の女性を愛するのに徹する事にした。
「ああっ、秋子っ、秋子は俺の女だっ、誰にも渡さないっ」
 興奮して段々と調子に乗り、秋子にも乗って激しく腰を動かしている祐一クン。後で覚めた時、二人でどうやって会話するかなど、この時には考えていなかった。
「うれしいっ、私、今だけは祐一さんの妻です。だから、せめて子供だけでも産ませて下さいっ」
 当初の目的を忘れ、丘に帰れる程の力を返して貰うはずが、子供を産むことに切り替わっていた秋子ちゃんは、祐一の全てを受け止めようと足を絡めた。

「だお〜〜」
 その一部始終を聞いていた名雪は、普通の状態なら脳がぶっ壊れてしまい、周囲に破壊の限りを尽くしていたはずの会話を聞いても、秋子の術で脳が受け付けを拒否し、処理できずにいた。しかし匂
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ