33秋子さんの初体験
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舞の魔物とは特別な契約があって、心とか魂は食べないそうなんです。それにもう魔物とか使い魔じゃなくて、精霊と同じになってるので、食べないで何か難しい操作をしたら同居できるとか? ああ、魔物さんに解説してもらったのをビデオに撮りましたので見てください。一弥? ビデオはどこ?」
佐祐理の解説は全ては理解できなかったが、ビデオがあるのでそちらに期待してみる。祐一を一弥と呼んでいる謎はまだ解明できないが、それは後回しでも良いので配膳を済ませ、ビデオの再生を待った。
「あ、ビデオね、さっきダビングしたんだ」
秋子ちゃんの初体験ビデオと、マコピーとの再会セックスを録画したテープを隠匿し、カメラと三脚を戻した祐一。先ほどダビングしたものを巻き戻し、再生の準備をする。
「秋子様、ご無沙汰しております、佐祐理の母でございます」
「ええ、お久しぶりですね、お話もありますので宜しかったらこちらに」
佐祐理の母は秋子が恐ろしかったが、このまま帰る訳にも行かず、秋子と沢渡真琴がいるテーブルに着席した。
「今、佐祐理さんは祐一さんを一弥くんと勘違いしているようです。以前のお約束のように、佐祐理さんのお腹の中に宿るのが一弥くん、その胤となるのが祐一さんなんですけど、一足先に一弥くんを取り戻したと思ってしまったようですね。それと、一弥くん本人も来てたんですけど、「ぼくを虐めてた奴となんか仲良くしない」って拒否されてしまいましたから、お姉さんのお腹に入るのはまだ嫌なようです」
「一弥がっ?」
七年前、祐一の使い魔に一弥の霊が取り込まれてしまい、いつ失われるか、存在まで消されたり食われるのではないかと心配していた自分の息子が、どうにか存在して自由意志を持って活動している。
佐祐理の体に宿ってこの世に再誕するのは嫌がっているようだが、どうしても嫌だと言うなら自分の体を使っても良い。母は死に別れた息子との再開が間近に迫っているのを感じ、涙を流した。
「一弥くんは誰かの命を食べて生きて来たので、天使の人形くんと同じで呪いの塊のような魔物になっています。もう普通の人間や貴方には産めない存在です。でも、改造された佐祐理さんなら産めます。二人の関係が良くなるよう祈りましょう」
「はい……」
本来、生きている佐祐理の心配をして、爺やのように聞くはずが、娘の優先順位が低いようで息子の話から質問した母。
娘の心や魂は壊れておらず、さらにここ数ヶ月で中身も体も強化されているように見えた。
一月に美坂栞を無理に復活させる呪術が行使され、死が確定していた人物に対し因果律の書き換えまで行われ、その揺り戻しで災厄が起こるのは告知されていたが、美坂香里、佐祐理、一弥、川澄舞、天野美汐を不死にするための呪いまで使われた。
今自分の向かいには、どう見ても純血の妖狐が座って
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